高野麻里佳「引き出しの多さを試されている」 Netflix『エデン』の収録を振り返る
Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』が現在配信中だ。入江泰浩監督と世界のクリエイター陣が手がける本作は、ロボットしかいない自然豊かな世界「エデン」を舞台に、2体のロボットに愛され育てられたサラが世界に隠された謎に立ち向かうSFファンタジー。今回、リアルサウンド映画部では主人公のサラを演じた高野麻里佳にインタビューを行い、プレスコで行われた収録の様子などを語ってもらった。
ロボットに育てられた女の子。役作りでの研究は?
ーー最初に台本を読んでどんな感想を抱きましたか?
高野麻里佳(以下、高野):SF作品ということでちょっと難しいお話だったり、言葉とか言い回しも出てくるのかなと思っていたら、ロボットたちがコミカルにイキイキと動く作品でした。サラは一人ぼっちの人間ではあるんですけど、人と接するような温かいやり取りにほっこりさせられました。
ーーサラというキャラクターに対してどういう印象を持ちましたか?
高野:ロボットに育てられたのに全然ロボット感がないですし、普通の女の子なんです。喜怒哀楽がしっかりしていて。でもその中にも、ロボット語を使うシーンや、ロボットの意図をすごく汲み取ることができるというところが、サラならではの特殊能力なのかなと思います。演じるときも、なるべく特殊な環境やバックボーンに左右されないような普通の女の子というイメージで演じました。
ーーそれは入江泰浩監督から収録の際にディレクションがあったんですか?
高野:実は、キャラクター作りのディレクションに関して、入江監督から「高野さんにお任せしますので」とすごく温かい言葉をいただきました。信頼している入江監督の言葉ということもあって、私自身は自信を持って、台本から得たインスピレーションそのままに演じていたような印象です。
ーー監督から「自由にやってください」と言われることはプレッシャーだったりするんですか?
高野:「信じてます」と言われることって、自分だけの責任じゃないというか。皆さんと一緒に作り上げる、責任ある役柄だなと思っていましたし、プレッシャーももちろん感じていました。この作品はテーマがすごく大きいので、そういう部分も主役として演じきれるかというところが不安でもありました。
ーーちなみにサラを演じていて、苦戦したシーンなどありましたか?
高野:今回、赤ん坊から大人になるまでを演じているのですが、赤ちゃんのシーンは私も演じるのが初めてだったので、赤ちゃんを見に行ったり、公園で遊んでいる子どもたちを見守ったりと研究して挑みました。そういうインプットはたくさんしたのですが、本作では、それに対するお父さんとお母さんの反応が、通常の子育ての過程で生まれるコミュニケーションではなく、初めて人間という存在を見るときの反応だったので、コミカルに演じなくてはいけないんだけど、赤ちゃんとしてはリアルな赤ん坊を目指さなければいけないという絶妙なラインを探って演じました。