『東京ゴッドファーザーズ』で松岡昌宏と共演 夏子が語る、“芝居の原点”舞台への強い思い
舞台『東京ゴッドファーザーズ』が5月12日から5月30日まで新国立劇場にて上演中だ。本作は、今敏監督の同名長編アニメーション映画を舞台化したもの。原作に共感した藤田俊太郎が演出を務め、クリスマスの夜の東京を舞台に、様々な事情を重ねた、年齢も性別も異なる3人のホームレスが遭遇する“奇跡”を描く。
本作で松岡昌宏、マキタスポーツと並び、奇跡に出会うホームレスを演じるのが女優の夏子。リアルサウンド映画部では、藤田との出会いから「お芝居をやりたいと思わせてくれた最初の場所」だという舞台への思いまで、夏子に話を聞いた。
「お芝居をやりたいと思わせてくれた最初の場所」
ーー本作に出演が決まったときの心境はいかがでしたか?
夏子:最初に聞いたときは、「また舞台に立てる」という喜びが大きかったです。原作を知っていたので、これをどうやって舞台化するのだろうということは考えていました。
ーー実際に演じる立場として、舞台ならではの『東京ゴッドファーザーズ』の魅力はどこにあると思いますか?
夏子:藤田さんの演出で稽古を重ねていると、本当に原作の世界観が見えてくるんです。たくさんセットやものを使って表現するのではなく、俳優の身体や演出で、アニメーションの動きがどんどん立体化されていくことに感動していますし、きっとその感動は観客の皆さまにも伝わると思います。
ーー今回、松岡昌宏さん、マキタスポーツさんという豪華なキャストと共演しています。
夏子:本当に魅力的なお二人なんです。初めてお会いしたときから、お二人がすでにハナさん、ギンさん然としていらして、そのことにすごく助けられています。お芝居はもちろん、現場全体のこともすごく見えていらっしゃるんです。なんだかお母さんとお父さんみたいな存在です(笑)。
ーー演出の藤田俊太郎さんも舞台の第一線で活躍し続けている方です。
夏子:今回藤田さんに出会えたことも、自分にとってすごく大きな経験になると思っています。藤田さんは演劇に臨む姿勢が本当に真摯で、かつ、すごく柔らかくみんなをまとめてくださいます。本当に人として素敵だなと思う場面が多くて、演劇人の先輩としても人生の先輩としても見習いたい存在です。
ーー夏子さんにとって演劇の魅力とは?
夏子:演劇っていろいろな瞬間がありますが、私は特に稽古が好きです。これだけ長くお芝居のことを同じメンバーで考え続けていられる環境があるのは、すごく幸せなことだと感じます。舞台は自分の中で、お芝居をやりたいと思わせてくれた最初の場所なので、ずっと大切にしていきたいです。