『リコカツ』ついに離婚撤回で新展開!? 北川景子×永山瑛太に学ぶ“理想の夫婦像”
「やっぱり寂しいね。戻る家がなくなるって。本当にひとりぼっちになっちゃう」
「もういい、離婚はやめよう。君が傷つく姿をもう見たくない。君を一人にはしない」
離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマの『リコカツ』(TBS系)第4話ラストで、緒原紘一(永山瑛太)が両親の離婚危機に傷つき涙する水口咲(北川景子)を抱きしめながら前言撤回する。前話から、もはやそんじょそこらのラブストーリーよりもストレートな愛情表現が見られてきた本作、強がりな2人ゆえあと一歩のところですれ違い、どうしても言えなかった一言がようやく聞けた。父親も自衛官という厳格な家庭で育ち、現在も規律正しい集団生活の中に身を置いている紘一は、“集団の和”や“チームワーク”を何より重んじることが身体に自然に染みついている節がある。そんな紘一が“自分の気持ち”に突き動かされ一歩踏み出した瞬間でもあっただろう。
元々、紘一にとって咲は「例外」なのだ。あれだけ国家機密だと仕事の話を一切他人にしない紘一が、咲との出会いについてだけは職務中のことなのに詳細を母親・薫(宮崎美子)に話していたようだし、そもそもあれだけ職業倫理観とプロ意識の高い紘一のことだから、仕事中に出会い救助した相手をこれまで恋愛対象としては見ることなど一度たりともなかっただろう。それが、「彼女に出会うために、彼女を守るためにこの仕事に就いたと思える」なんてことを紘一にさらりと言わせてしまえるのだ。かなり出来上がった自己完結型の紘一の生活や人間性にまで咲は入り込めて、あれだけルーティーン化された紘一の日々に変化をもたらし、規律外、枠外に押し出してくれる、そんな存在なのだろう。
そしてきっとそれは咲にとっても同じで、そんな2人が一つ屋根の下、一緒に暮らすことで最初は不協和音ばかり目についてしまっていたのが、互いへの理解が深まり本音に触れられた今、良い“化学反応”が見られるようになった。“予定調和”にいかない部分やお互いの“違い”こそ面白がり、楽しめるようになっている2人の姿が本当に自然で、互いに無理をしておらず素敵だ。最初はダサいと一蹴していた紘一からのライト付きのボールペンを咲は今やとても大切にしているし、“誰にどこから狙われているかわからない”からと紘一がホームセンターで慌てて調達したスカイブルーのカーテンにも咲は本気で拒絶反応を見せていたのが、今やそれを突っ込み愛でることができる余裕が出てきている。さらに、あれだけ身の安全のためにカーテン取り付けにこだわっていた紘一も、たまたま2人で窓から見られた朝焼けの美しさに「カーテンがないのもいいもんだな」ととても素直な感想をこぼす。“私はこれが好き。でもそっちもおもしろいね!”そんな風に、互いの差異を認め合いシェアし合うこと。何も夫婦関係だけに限ったことではなく、あらゆる人間関係をストレスフリーに、かつ円滑に楽しめる秘訣だと思う。