菅田将暉、仲野太賀ら共演者も一目置く 有村架純はなぜ“特別”なのか
菅田将暉、仲野太賀、神木隆之介ら1993年生まれの同世代俳優と『コントが始まる』(日本テレビ系)に出演中の有村架純。ほかにも直近では、映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画をつくったら~』での唯一“バイプレイヤー”ではない役柄、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』では物語の鍵となる雪代巴役を演じるなど、重要な役柄での出演作が後を絶たない。
有村の魅力は、やはり等身大の自然な演技だと考える。菅田と有村が共演した映画『花束みたいな恋をした』は、どこにでもいるような男女の5年間を描いた作品だったが、その中でも会話のテンポや素直なリアクション、人と別れた後の何か言いたげな表情など、有村の演技が作品のリアリティをより確かなものにしていた。『ひよっこ』(NHK)の谷田部みね子や、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の杉原音、『中学聖日記』(TBS系)の末永聖などいずれもそうした有村のナチュラルな魅力があったからこそ成立したキャラクターだろう。
年々、その自然さはより精密なものになり、今や同世代の中でも懐が深く、共演者を泳がせ、最終的には包み込んでいくような演技を見せるようになっている。達観している様子すら感じさせる巧みな演技ができることが、同世代の中で一目置かれている理由なのではないだろうか。
『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演した菅田は「全員が有村さんのことを知りたい」と、共演者ですら素顔が分からないミステリアスな人物であることを明かし、「同世代の中でも有村さんの存在感は分かる。ミステリアスで、唯一無二のミューズ感がある」と評する。仲野も「親近感があるけど、ベールに包まれているというか、何が本物の有村さんなのか分からない。引き込まれる何かがある」と語っている。有村とのタッグが多い脚本家・坂元裕二も、「とてもミステリアスで、いつもなにを考えていらっしゃるのかわからない」と有村を紹介していた(参照:脚本家・坂元裕二から見た有村架純は…「ミステリアス」 菅田将暉は「矛盾を抱える」|マイナビニュース)。
有村本人の普段が見えないからこそ、観客も有村が演じるキャラクターに純粋に感情移入しやすいのかもしれない。普段の有村をモキュメンタリー風に描く『有村架純の撮休』(WOWOW)というドラマが成立したのも頷ける。