宮澤エマは『おちょやん』に欠かせないスパイスだった 栗子の再登場は千代の未来を予言?

『おちょやん』宮澤エマは作品に欠かせない

 杉咲花主演のNHK連続テレビ小説『おちょやん』。4月26日より放送の第21週「竹井千代と申します」から宮澤エマが再登場して話題となっている。

 宮澤エマが演じる栗子は、杉咲花演じる竹井千代の継母で、千代を邪魔者扱いして9歳で奉公に出した、千代にとって恨んでも恨みきれない怨恨の相手。しかしそんな栗子と、道頓堀を飛び出し行方不明となっていた千代が、第21週「竹井千代と申します」で、栗子の孫・春子(毎田暖乃)の3人で京都で暮らしていることが分かるという、まさかの再登場となった。

 栗子が最初に登場したのは、ドラマ開始時の第1週。千代が9歳の時に、父テルヲ(トータス松本)が継母として家に連れてくるが、家事を全くせず三味線を弾いているばかりか、千代と弟・ヨシヲに対し愛情が無く連れない態度を取り続ける。特に、千代とヨシヲを奉公に出すことをテルヲに持ちかけ、それを聞いた千代と激しく対立。結果として、千代は1人奉公に出されることになる。

 そして今週、1年前に道頓堀を飛び出した千代が寺の門で雨宿りをしていたところに栗子が声をかけたことがきっかけで、栗子とその孫・春子の3人の暮らしが始まるのだった。

 若い時の栗子を演じる宮澤はとにかく妖艶。品の良さとプライドの高さが、オーラから漂う悪女らしさに繋がり、魅力的なキャラクター像となっていた。奉公に出すことを提案するときや、千代がヨシヲだけは家に残すことを懇願した時の鉄仮面ぶりなど、表情だけでも徹底した悪女ぶりが作品のスパイスにもなっていた。

 『ごごナマ』(NHK総合)に出演した宮澤が「彼女は彼女なりのポリシーがあるというか、私は悪くないっていう風に考えてるキャラクター」と言うように、ただ悪いだけじゃない人物像を見事に表現していた。調子の良いテルヲに色々と騙されていた部分もあるだろうし、栗子もまた孤独で辛い思いをしていたことが今となっては伺える。それを裏付ける演出が、ヨシヲはそんな栗子を母親のように優しく慕っていたことや、千代が出て行く時もどこか自責の念と戦っているような表情を見せるシーンの説得力につながっていたのではないだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる