井上拓哉、『おちょやん』で愛されキャラを好演 福助のトランペットに込められたもの

井上拓哉、『おちょやん』で愛されキャラ好演

 『おちょやん』(NHK総合)第17週目「うちの守りたかった家庭劇」では、「福富」の福助(井上拓哉)に赤紙が届き召集されることになってしまうようだ。

 井上は本作が朝ドラ出演5作品目。『あさが来た』『べっぴんさん』『わろてんか』『まんぷく』と4年連続での出演を果たしているが、これまでの短期間での出演に比べ本作では長期間にわたり、福助が10代から大人になり歳を重ねていく様子を見せてくれている。

 福助といえば、子どもの頃からトランペットに夢中で、最初はプス〜ッとしか音が出なかったのにそこからみるみるうちに上達し、今の妻・みつえ(東野絢香)との恋が成就するきっかけにもなった。

 実は、この福助のトランペット演奏シーンは実際に井上が演奏しているというから驚きだ。しかも、これまで楽器をやったことは一切なく、なんと5カ月間毎日練習しているようで、ある意味役づくりよりも大変だったそうだ(参考:井上拓哉、『おちょやん』福助との共通点を語る 「ダメっぷりは自分にも似ている(笑)」)。実際その腕前は『土曜スタジオパーク』(NHK総合系)の主人公・千代演じる杉咲花と夫役の成田凌出演回でサプライズゲストとして登場した際に、生放送でも披露されていた。突然の生演奏に、杉咲が涙する様子も流れていたが、なんだかこの涙も今回の第17週の展開と関係があるのかもしれないと思ってしまう。

 福助役では丸メガネをかけ、見るからに“ボンボン”といった風情で、母親の菊(いしのようこ)や妻・みつえを前に何も言い返せず、普段は頼りにならないが、なんだかいつも飄々としていてどこか憎めず、そして落ち込むみつえを橋の上でトランペットを吹いて励ましたように“決める時は決める”愛されキャラを好演している。また、なんだか頼りないキャラの福助が、夫となり父となり徐々に芽生えているのであろう責任感や我が子を慈しむ気持ちなどの変化も、とても自然な形で見せてくれている。

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