『おちょやん』高城百合子はなぜ視聴者から愛される? 千代とは異なるヒロイン像を体現

『おちょやん』高城百合子はなぜ視聴者から愛される? 千代とは異なるヒロイン像を体現

 杉咲花が主演を務めるNHK連続テレビ小説『おちょやん』において、今週大きな話題を呼んだのが、高城百合子(井川遥)が小暮真治(若葉竜也)とともに再登場したことだ。『おちょやん』の中でも特に人気の高いキャラクターとして、視聴者からも歓喜の声が多く上がった。

 高城と千代(杉咲花)の最初の出会いは、千代が道頓堀芝居茶屋「岡安」で奉公していた時代。所属する鶴亀株式会社の大山社長(中村鴈治郎)から、活動写真女優への転向を求められたことを不服に高城が逃げ回っていたときに千代と出会う。岡安に身を潜め、引退をするか迷う中、千代と戯曲『人形の家』を読み合わせし自信をつけたことで女優を続けたいと思い直し、千代に「一生一回、自分が本当にやりたいことをやるべき」とアドバイスをしたことが、千代が女優を目指すきっかけとなる。

 2度目の出会いは、千代が京都の鶴亀撮影所に大部屋俳優として所属していたとき。高城は鶴亀撮影所で看板女優として活躍していた。当初は千代を覚えていない様子だったが、『太陽の女 カルメン』の撮影中に監督と揉めて逃走中に、かつて千代に助けられたことを思い出す。その際に、大部屋女優として燻っていた千代が「いつかきっと高城さんみたいな主役も張れるすごい役者になってみせます」と言うと、高城は「使えるものは何でも使いなさい」「自分に正直にならない限り、いいお芝居はできなくてよ。私たちは自由なのよ!」とアドバイス。結局撮影を放棄・共演男優と駆け落ちし、千代も「自由過ぎるわ」とツッコミを入れる。しかし、高城が社長に掛け合ったことで、千代がメインキャストに抜擢され、本格的に女優として活動を始めることに。高城は、常に千代の大きな転機のきっかけだったのだ。

 朝ドラ主人公の人生を左右させるような、芸術のために人生を突き進むカリスマキャラはこれまでも多くいた。最近では『エール』で柴咲コウが演じたオペラ歌手の双浦環が、音(二階堂ふみ)が声楽の道を志すきっかけだったし、2019年の『なつぞら』で演劇部だった雪次郎(山田裕貴)が本気で役者を目指すのは、劇団「赤い星座」の看板女優・亀山蘭子(鈴木杏樹)がいたからだ。ただ、今回の『おちょやん』のような「大スターと新人女優」という関係で最初に思い出すのが、2013年の『あまちゃん』で薬師丸ひろ子が演じた“大女優”鈴鹿ひろ美だ。

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