『呪術廻戦』描かれた呪術師同志の“情” 矢継ぎ早に繰り出されるコンビネーション戦の数々
現在『週刊少年ジャンプ』で連載中、芥見下々原作のアニメ『呪術廻戦』(MBS/TBS系)。2月19日に放送された第19話「黒閃」では、狗巻、加茂、伏黒と花御の戦いに真希が参戦するも押され、選手交代として現れた虎杖悠仁がまた一歩進化する過程などが描かれた。
先週から呪言師としての戦い方が徐々に描かれ、ついに今週その本領を発揮した狗巻。普段、彼がなぜあれほどまで徹底しておにぎりの具でしか会話ができないのかが理解できただろう。彼の発する言葉の力、言霊は特級呪霊の花御にさえ通用する強力なものなのだ。そして、その言葉の意味が強いほど、狗巻自身に返ってくる負担の重さも比例する。それは攻撃以外にも、仲間を助けるための言葉でも役に立った。先週、伏黒と加茂に対して「逃げろ」と放った狗巻。これも、人によっては危機に直面した時の反応速度が違うから、その差異を術でなくして誰も遅れを出さずに瞬時に動くことができる点で、実はかなりのナイスムーブだったと思う。
しかし、大なり小なり彼の放つ言葉が負担になりやすいことは間違いない。そして強い言葉を使っていなくとも、相手が格上の場合はその分狗巻がダメージを喰らってしまうようだ。彼がのど薬を常に形態しているのも、のどが潰れやすいからで、そうなってしまえば元も子もないからである。このあたりの描写や狗巻の活躍は、虎杖が高専にやってくる1年前の出来事を描いた前日譚『呪術廻戦 0巻』で描かれていた。
同じく、今週は0巻に直接関係のある描写があった。真希の使った、彼女の言葉を借りると“使うのが胸糞悪い”とある呪具だ。本アニメで呪具は第3話にて初登場した(虎杖が五条に渡された「屠坐魔」)が、ようやくそれらについての説明が今回行われた。呪具とは、呪いを宿した武具であり、その威力や効力によって術師のように等級が分けられている。すなわち、高い等級の呪具を使えば戦闘力(呪力)が上がって有利になるわけで、真希は特級呪霊の花御に対して、同じく特級呪具の「遊雲」を使って挑んだ。
説明呪具だけではなく、伏黒の術式「十種影法術」の式神の細く説明も行われた。以前の少年院で玉犬(白)と、宿儺との戦いで大蛇が破壊されてしまったが、一度破壊された式神はもう出せないとのこと。しかし、破壊された式神の術式を引き継がせることができ、玉犬(黒)が(白)を取り込んだことで渾が誕生した。全体的に身体が大きく、どこか『ヴァン・ヘルシング』の狼男を彷彿とさせるビジュアル。その威力は花御に傷を負わせるほどのものだったが、式神は呪術師が倒れれば消えてしまう。そんな伏黒と真希を救ったのは他でもない、虎杖と東堂だった。あれほど主人公らしい登場の仕方、未だかつて観たことがない!