『デッドプール3』はMCU初の“R指定”作品に 今後のシリーズに与える影響は?

『デッドプール3』“R指定”が意味すること

 1月12日、アメコミ映画ファンを狂喜させるニュースがネットに流れました。マーベル・スタジオの社長で、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の仕掛人/プロデューサーであるケヴィン・ファイギが、“ライアン・レイノルズ出演のMCU版『デッドプール』はR指定作品になる”という主旨の発言をしたのです。まずこのニュースの状況を整理しましょう。

 なぜこのタイミングでこの発言が出てきたかというと、Disney+(ディズニープラス)でMCU最新作『ワンダヴィジョン』の配信が1月15日から始まりました。2020年はコロナ禍で1本もMCU作品がなかっただけに、待望の新作リリース。そのプロモーションの一環でケヴィン・ファイギが多くのメディアのインタビューに答えたわけです。久しぶりにマーベル・スタジオのキーマンがしゃべるわけですから、これからのMCUについてのことも話題になる。なので、このデッドプールについても触れられた、ということです。

『デッドプール2』(c)2018Twentieth Century Fox Film Corporation

 次に、デッドプールとMCUの関係のおさらいです。デッドプールはマーベル・コミックのキャラクターですが、X-MENのコミックに紐づく作品です。そしてX-MENについてはMCUが始まる前に(そしてマーベルがディズニー傘下になる前に)、マーベルが20世紀フォックスに映画化権を渡していました。なのでヒュー・ジャックマンのウルヴァリンで有名なX-MEN映画シリーズは、マーベル原作でありながらMCUではなく、20世紀フォックスのマーベル映画として存在しました。したがって大ヒットしたライアン・レイノルズの『デッドプール』『デッドプール2』も20世紀フォックス映画であり、MCUではありません。なので、コミックではアベンジャーズとX-MENが共演しても、映画では実現できなかったわけです。

 ところが20世紀フォックスがディズニーに買収されたことにより、状況は大きく変わります。これにより20世紀フォックスが持っていたX-MENとファンタスティック・フォーの映画化権がディズニー経由でマーベル・スタジオに戻ってきたわけです。なのでMCU版のX-MEN、ファンタスティック・フォーを作ることが可能になる、MCUの世界にこれらのキャラを出すことも大丈夫ということ。すでにMCU版スパイダーマンのメガホンを取るジョン・ワッツ監督によってMCU版『ファンタスティック・フォー』が作られることが可能になりました。当然のことながらデッドプールをMCUに登場させることがOKになります。

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