『鬼滅の刃』はあと何年楽しめる? 今後のアニメ展開に寄せる期待

 これはテレビアニメも同様で、もしも、オリジナルエピソードが追加されるのであれば、作者自身が原作漫画を補足する形で、脚本等に参加するのではないかと思う。たとえば、『無限列車編』終了から『吉原遊廓編』スタートまで、劇中では4カ月の時間が流れている。その間、炭治郎たちが鍛錬を繰り返しながら、鬼と戦い、単独の任務もあったことが、ナレーションで語られるのだが、この省略された時間軸にオリジナルエピソードを加えることは可能だろう。 

 鬼殺隊の日常生活や、本編ではあまりうまく活かせなかった鬼殺隊の階級制度に絡んだ物語も、新たに描くことができる。同時に、ノベライズや、煉獄杏寿郎や富岡義勇といった柱(鬼殺隊最高位の剣士)の外伝漫画も刊行されているため、アニメシリーズの中に盛り込むことは可能だろう。

 また、コミックスでは、終盤になるほど、作者が漫画本編で描けなかったエピソードを補足する解説文が増えている。そういった外伝的なエピソードをうまく盛り込めば、「吉原遊郭編」をクライマックスとするシーズン2と、「鍛冶の里編」と「柱修行編」を描くシーズン3、そしてシーズン4となる「夢幻城編」という流れが作れるのではないかと思う。

 2年ごとに1シーズンと考えると「無限城編」が終わるのは、2027年ぐらいだろうか。少なくとも、あと6年は楽しめそうだ。

※禰豆子の「禰」は「ネ」に「爾」が正式表記。
※煉獄杏寿郎の「煉」は「火」に「東」が正式表記。

■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
全国公開中
声の出演:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔
原作:吾峠呼世晴(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
コンセプトアート:衛藤功二、矢中勝、樺澤侑里
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:LiSA「炎」(SACRA MUSIC)
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
公式サイト:https://kimetsu.com
公式Twitter:@kimetsu_off

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