『この恋あたためますか』新谷は四角関係のカカオに? 森七菜が吹かす新しい風

『恋あた』新谷は四角関係のカカオに?

 火曜ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)第2話。樹木(森七菜)は、浅羽(中村倫也)から、悪い話といい話をもらう。悪い話とは、シュークリームの企画に強力なライバルが現れ、商品化を巡って審査会で戦わなければならなくなったこと。そして、いい話は結果的に「もっとスイーツが作りたい」という樹木の希望が叶うことだった。

 ライバルは、商品部スイーツ課の北川里保(石橋静河)。里保の出した企画書は、コンセプトも原価も完璧なもの。長年、厳しい一岡課長(市川実日子)のもとでアシスタントとして経験を積んできた賜物といえる仕事ぶりだった。一方、樹木の作った渾身のシュークリームは、商品にするためにグッと原価を抑えなければならないという大きな壁が立ちはだかる。

 ベトナムお土産のチョコレートに感激した勢いで「このカカオを使いたい!」とスイーツ課のメンバーに提案するも、そんな簡単なことじゃないと叱責されてしまう樹木。新谷誠(仲野太賀)と共に、なんとか“自分なんかが……”スイッチを克服しながら、スイーツ作りに励む。加えて、里保と浅羽と間に“終わらせた”関係が見え隠れし、商品化をかけた審査会以上に、その存在が気になって仕方がない。

「その新しい風はあの子から吹いている」

 スイーツ作りの素人である樹木が、夢中で作業に取り組む姿を見て、スイーツ課の面々も徐々にそのプライドをくすぐられていく。その変化は、社長室に異動になった一岡が、報告書に目を通しただけで伺い知れるほど。

 審査会では、里保のシュークリームが満場一致で商品化されることになり、樹木はまたしても「選ばれなかった」と落ち込む。だが、そもそも里保が企画書を出したことも、カカオの仕入れにメンバーがベトナムへ立ったことも、樹木によってスイーツ課に新しい風が吹いたからだと、一岡も認めるのだった。

 プロは、毎回ホームランを狙って三振するよりも、安定したヒットを打つ仕事を求められることもある。だが、それがあまりにも長く続くと、いつしかホームランを狙うことそのものを恐れて、思いきりスイングすることを忘れてしまいがちだ。そんなとき、新人の荒削りなプレーが、ベテラン選手の目を覚まさせてくれる。ときに、組織の新陳代謝が必要なのは、そうした新しい風を吹かす存在が必要だから。

 審査会に敗れて落ち込む樹木に、浅羽は社員証の申請書を渡す。スイーツ作りを社員として手がけられるようになった樹木。今度は闘う相手ではなく、同じコンビニスイーツを愛し、いいものを作る仲間として、里保から樹木がプロの仕事を学ぶ番だ。

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