『MIU404』綾野剛×星野源の正反対バディが愛おしい! 上がりに上がった期待を超える第1話に

『MIU404』正反対バディが愛おしい

 金曜ドラマ『MIU404』(TBS系)が、6月26日ついにスタートした。大ヒットドラマ『アンナチュラル』(TBS系)を生み出したプロデューサー・新井順子、監督・塚原あゆ子、そして脚本家・野木亜紀子というゴールデンチームが再集結した本作。さらに、綾野剛×星野源のW主演とくれば、面白くないはずがない。そんな上がりに上がった期待を軽々と超えてくる初回放送だった。

「仕事」で描く新時代の刑事ドラマ

 物語の舞台は警視庁刑事部・第4機動捜査隊。本来3つの機動捜査隊(機捜)が存在するが、働き方改革の一環として臨時の“第4機動捜査隊”が作られたという設定だ。舞台設定は入念な取材からリアルにこだわり、架空の部隊という余白を作ることで、ロマンを少々ふりかける。それが、『アンナチュラル』チームの真骨頂。勤務は24時間制、初動捜査で事件解決ができなかった場合は、別の課に引き継がれ、継続捜査は行なわれない。単純な事件であれば、そのまま逮捕までこぎつけることもあるが、そのほとんどが引き継いで「ごくろうさまでした」。

 かつての刑事ドラマは、ヒーロードラマだった。バンバン拳銃を打って、事件解決まで諦めない不屈の精神こそが美学として描かれた。だが『MIU404』で描かれる警察は、そうはいかない。日本の警察は9割が拳銃を抜かずに定年を迎える。問題を大きくしないようにルール、制度が整い、刑事があくまでも組織のパーツとして働く組織だ。まるで分業化された企業のように。確かに業務効率はよくなる。1人ひとりの生活も安定もする。だが「やりがいは?」と聞かれたら……。

 今の世の中、仕事に対して「なんだかなぁ」と思ってしまう人は少なくないのではないだろうか。刑事ドラマではありながら、働く誰もが共感せずにはいられないのが『MIU404』のにくいところだ。

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