風間俊介と徳川家康の共通点とは? “クセの強い”キャラクターで生きる演技力

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』は、第21回「桶狭間の戦い」をもって一時休止期間に入る。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、撮影が中断したからだ。

 その休止直前、第20回「家康への文」に登場したのが、風間俊介演じる松平元康。徳川幕府を築き、300年を超える時代を作ったのちの徳川家康である。

 これまで役所広司、津川雅彦、内野聖陽、阿部サダヲといった俳優たちが演じてきた家康を風間はどう構築したのだろうか。

 大人になった元康の初登場場面は駿府・智源院での東庵(堺正章)との将棋シーン。負けて「恐れ入りましたっ」と頭を下げる東庵に対し「やっと勝てた……!」と笑顔を見せる元康。が、じつはこの勝負、東庵の98勝、元康の5勝という成績で、元康はボロ負け状態なのだが、賭け金を帳簿につける東庵に対し「三河に戻った折には倍にしてお返しする」と余裕さえ見せる。

 幼少時から今川方、のちに織田方にも人質に取られ、独立後は織田信長、羽柴秀吉といった武将たちが天下取りに乗り出す様子を傍らでじっと見据え、機をうかがっていた元康。「強い敵も時が来ればいつかは倒せる」「一時負けても最後に勝てばいい」という彼の中にある芯の部分が2分程度の登場場面できっちり表現されていた。

 そもそも『麒麟がくる』は誰もが知る武将たちを“意外な角度”から切り取った歴史ドラマだ。主人公の明智光秀(長谷川博己)も謎が多く、明らかになっていないことが多々ある存在だし、“美濃の蝮”こと斎藤道三を演じた本木雅弘は、それまで道三を演じた多くの俳優たちが見せた泥臭さや狡猾さを払拭。また、織田信長役の染谷将太も、信長の持つ切れ味の鋭さや恐ろしさを、一見人懐っこい風貌を武器に新たに立ち上げている。

 徳川家康と風間俊介、ふたりの共通項を上げるとすれば「派手にメインストリームへと駆け上がるのではなく、己を磨きじっと機を待つ」点だろうか。家康が関ヶ原の戦いに勝利し天下を手中に収めたのは58歳の時。かなりの遅咲きであるが、だからこそ300年続く江戸幕府の基礎は盤石なものとなった。

 同じく風間も10代から派手に大階段を駆け上がったプレイヤーではない。中2の時にジャニーズ事務所に入所し、98年には山下智久や生田斗真とともにB.I.G.のメンバーとして活動するが、学業を優先していた時期にセンターポジションから外れ、生田のバックで踊った時期もあった。

 そんな彼が大きく注目されたのは1999年のTBSドラマ『3年B組金八先生』第5シリーズ・兼末健次郎の演技。大人の前では完璧な優等生だが、じつは裏で恐怖を操りクラスを支配するという難しいキャラクターを見事に演じ、俳優としての認知を高める。

 とはいえ、金八出演以降の風間がすぐにヒットドラマの主役をバンバン張れたかといえば答えはNOだ。しばらくは助演として作品に厚みを与える役割が続き、メインキャストとしては2006年『アキハバラ@DEEP』(TBS系)ページ役や、2011年『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)雨宮健二役、2012年NHK連続テレビ『純と愛』待田愛役などで、俳優としての地位を固めた。

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