『エール』中村蒼は“ずぐだれ”に戻った窪田正孝を救えるか? 堀田真由の“悪女の笑み”も

『エール』中村蒼は“ずぐだれ”に戻った窪田正孝を救えるか? 堀田真由の“悪女の笑み”も

 「交際の境界線についてはまたあした!」という、独特のエンディングを迎えた連続テレビ小説『エール』(NHK総合)第15話。つづく第16話では、川俣銀行の面々が“交際の境界線”について、「一緒にお酒を飲む!」「手を繋ぐ」と話し合う。肝心の裕一(窪田正孝)は、「僕はお会いしてお話してれば、楽しいんです」と弱気な返事だ。

 そんな裕一に、「接吻ね」と焚きつける昌子(堀内敬子)。動揺して支店長の落合(相島一之)に熱いお茶をかけてしまったが、乗せられてその気になった裕一はアドバイスを活かすべく、想いを寄せる志津(堀田真由)とのデートに臨む。昌子たちの協力も虚しく、キスのチャンス手前で怖気づいてしまった裕一。けれど、「これからは外で会いましょう」と志津に微笑まれたことで、浮かれ気分に浸っていた。

 明るい川俣銀行の人たちに囲まれ、裕一のフナのようになっていた目は再び光を取り戻した。けれど本当のところ、裕一は現実逃避をしているにすぎない。絹織物業が発達した活気ある川俣で浮かれる裕一は、まるで田舎から上京した大学生のようだ。

 そんな裕一の目の前に、成長した幼なじみの鉄男(中村蒼)が現れる。「何やってんだ、おめぇ」と裕一に語りかける鉄男。まっすぐ裕一を見つめる瞳は、驚くほどに、「このずぐだれ(いくじなし)が!」と言い放った幼き日の鉄男の瞳と変わらない。鉄男は父・善治(山本浩司)の借金で夜逃げした以降、消息不明だったが、藤堂先生(森山直太朗)から紹介された福島日民新聞社で記者を務めていた。「得意なことにしがみつけば、必ず道は開ける」という裕一の言葉に励まされ、夢を信じて詩を書き続けてきた鉄男。それにもかかわらず、久しぶりに見た裕一はスーツを着て、浮かれ気分で女性とデートをしているのだ。鉄男はショックだったに違いない。

 音楽に出会い、“ずぐだれ”じゃなくなったと思っていた裕一が、また家庭の事情を言い訳に夢を諦める“ずぐだれ”になっている。そんな裕一を見かねて、「俺が詩を書き、お前が曲を作る。その歌がレコードになり、みんなが聴く。そんな夢を描いてたけど、それもまた夢だな」と言った鉄男の言葉は厳しい。けれど、鉄男はただむやみに相手を傷つけることはしない、心根の優しい男だ。彼なりの、裕一に向けた“エール”に違いない。

一番左が幼少期のとみ(白鳥玉季)

 幼なじみにも失望され、伯父の茂兵衛(風間杜夫)からも仕事の姿勢を注意されてしまった裕一は、残っているものは“恋心”だけだと志津のもとへ向かう。「君のことが好きです」という一世一代の告白を、笑い飛ばす志津。その正体は、近所の悪ガキと共に裕一をいじめていた、とみ(白鳥玉季)だった。とみは自分に気づかず、ダンスホールで無視した裕一に仕返しするため、しおらしい演技で騙していたのだ。

 呉服店に生まれ、幼少期は理解ある父親のもとで音楽家を目指し、今や権藤家の養子に入り、銀行の跡取りとして注目されている裕一。夢を諦めなきゃいけなかった裕一にとっては、幸せな生活ではなかったが、周りから見れば恵まれていると思うだろう。一方、とみは実家の店が潰れ、生活費を稼ぐために踊り子になったという。「あんたは昔からそう、そうやって私たちのこと馬鹿にしてんのよ」と、とみは裕一に感情をぶつけ、踊り子の仲間たちと去っていった。

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