『スカイウォーカーの夜明け』以降も続くSWの世界 新企画『プロジェクト・ルミナス』とは?

SWの『プロジェクト・ルミナス』とは?

 そして2020年2月24日に『スター・ウォーズ』の公式サイトなどから、この『プロジェクト・ルミナス』から『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』という作品群を送りだす、と発表されました。つまり、
・『プロジェクト・ルミナス』とはプロジェクト名
・『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』はそこから生み出された作品名
ということです。(『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』のコードネームというかワーキング・タイトルが『プロジェクト・ルミナス』ということかもしれません)

 さらに『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』というのは、世界観のタイトルであり、この世界観の中で先の5人の作家たちが自由に作品を作る。けれど5作とも同じ世界観の話だからお互いにつながってはいる、というマーベルみたいな(笑)展開になる模様。

Star Wars: The High Republic | Announcement Trailer

 公開されたプロモーションビデオや『スター・ウォーズ』公式サイトの説明を読むと、物語は『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』から200年前、いわゆる銀河共和国の繁栄の時代でジェダイの騎士が銀河の秩序を守っていた時代。つまり共和国にとってもジェダイにとっても黄金期で、この時代を“ハイ・リパブリック”というわけです。しかし、平和でなんの問題もない時代かというとそうでもない。共和国は機能しているものの銀河の辺境地にはまだトラブルがあって、ジェダイの騎士たちが<テキサス・レンジャー>みたいにそういう場所を守っていたり、“グレート・デザスター(大災難)”と呼ばれる大事件が起きたり、 さらに宇宙のバイキングみたいなナイルという集団がメイン・ヴィランとして襲いかかってくるそうです。

 発表された本のカバー絵とかを見る限り、チューバッカと同じウーキー族のジェダイもいたりします。2020年8月からリリースされ、チャールズ・ソウルが『LIGHT OF THE JEDI』、クラウディア・グレイが『INTO THE DARK』というヤングアダルト向け小説を出し、ジャスティナ・アイルランドが『A TEST OF COURAGE』というジュブナイルを担当。コミックでは、マーベルからキャバン・スコットが『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』、IDWからダニエル・ホセ・オールダーが『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック アドベンチャーズ』のストーリーを担当し出版。IDWは『トランスフォーマー』や『ミュータント・ニンジャ・タートルズ』『スター・トレック』のコミックを出している出版社。こことマーベルが同時に『スター・ウォーズ』を出すとはすごいです。これらの作家名を検索してみると、皆、『スター・ウォーズ』の小説で有名な方だということがわかります。

 『プロジェクト・ルミナス』こと『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』は、いまのところ出版プロジェクトですが、これらの作品群をベースにしたグッズやアニメ、ゲームが作られる可能性はあるし、また2022年から始まると噂されている、新しい『スター・ウォーズ』映画も、このハイ・リパブリックの時代を舞台にすると言われています。連動はありえるでしょうね。

 『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』が興味深いのは、思いっきりスカイウォーカーたちが生まれる前の時代にすることで、ダース・ベイダーやルークなどの束縛をうけないことです。それと皆さん薄々お気づきでしょうが、『スター・ウォーズ』の中でジェダイの騎士というのはすごい存在として語られていますが、エピソード4〜9ではほとんどのジェダイはいなくなっているし、エピソード1〜3はジェダイが滅ぼされるまでを描いています。つまり僕らはジェダイの騎士がかっこよかった、活躍していた、というのをあまり見たことがない(笑)。

 そういう意味で、この『スター・ウォーズ:ザ・ハイ・リパブリック』では、 “強くてすごいジェダイの騎士たち”の活躍を期待したいと思います。あと若き日のヨーダがひよっとしたら出てくるかもですね(彼はとにかく長寿ですから)。映画から生まれた『スター・ウォーズ』が、配信動画サービスや出版界にどれだけのフォースをもたらすことができるか、楽しみですね!

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■リリース情報
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
4月8日(水)先行デジタル配信開始
4月29日(水)発売
・MovieNEX(初回版):4,200円(税別)
・4K UHD MovieNEX:8,000円(税別)
・4K UHD MovieNEX スチールブック(数量限定):9,000円(税別)
・DVD(数量限定):2,800円(税別)
・『スター・ウォーズ スカイウォーカー・サーガ 4K UHD コンプリートBOX(数量限定)』:50,000円(税別)
販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2020 & TM Lucasfilm Ltd.

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