連ドラ完走直後は舞台に? 広瀬すず、志尊淳、山田裕貴、奈緒ら若手俳優たちの健闘

舞台でも健闘する若手俳優たち

 『なつぞら』(NHK総合)で、“朝ドラヒロイン”という大役をまっとうした広瀬すずが、現在は舞台『Q:A Night At The Kabuki』で奮闘中である。それも本作の幕が開けたのは、朝ドラを完走して直後のこと。しかし、ドラマの放送終了直後に舞台に立っているのは、彼女だけではない。同ドラマでヒロインの幼馴染み役を演じ上げた山田裕貴もまた、舞台『終わりのない』で座長を務めている真っ最中だ。(メイン写真:NODA・MAP第23回公演『Q』:A Night At The Kabuki/撮影:篠山紀信)

 他の追随を許さないほどの活躍ぶりを見せる彼らではあるが、とはいえ、一体全体どうやってこんな芸当をやってのけているのだろうか? もちろん彼らの活動スケジュールがどのようなものなのかを知ることはできないが、ひっ迫しているような状態であるのは誰の目にも明らかなように思う。だが彼らは、舞台に立つのである。

 広瀬が出演しているのは、野田秀樹の作・演出によるもの。タイトルの「Q」とは世界的ロックバンド・Queenの「Q」で、彼らの伝説的な名盤『オペラ座の夜』からインスピレーションを受けた野田が、そこへ「源平合戦」や『ロミオとジュリエット』をミックスさせ、演劇として立ち上げている。主演の一人である広瀬は、当然ながらこの“ジュリエット”に当てはまる役どころ。本作が初舞台となった彼女だが、手を取り合う相手役、つまり“ロミオ”に当てはまる人物を志尊淳が演じ、ともに駆け抜けているところだ。志尊の場合、現在のように映像での露出が多くなるより以前は舞台で演技の経験を積んできたわけだが、いずれの作品も同世代の俳優たちとの共演ばかりだった。

 そんな2人を囲むのは、演劇界の手練れたち。しかも2人とともに、松たか子と上川隆也が主役に配されている。つまり4人で、“ロミジュリ”を演じているのだ。これは若い2人にとって、非常に稀有で、大きな経験になっているに違いない。松、上川は、ともに膨大な数の舞台作品で俳優としての力を培ってきた存在だ。そしてそんな彼らでさえ、いまだその道の途上にある。経験値が圧倒的に違うのだから、この4人が並ぶことになんの違和感もなかったと公言するのは難しいところだが、広瀬、志尊には、彼らにしか放つことのできない瑞々しさがある。輝きがある。身体の使い方や、発声の仕方一つをとってもそうだ。ベテラン勢に見られる、ある種の“余裕”のようななものが(少なくとも筆者には)感じられなかったが、その必死さは演じるキャラクターの心情ともリンクしているのである。

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