桜井ユキの「感情の暴発」を見逃すな 連ドラ初主演『だから私は推しました』で見せる力量

『だから私は推しました』危険な魅力漂う桜井ユキ

 いろんな方面からの「そうきたか」が詰まっているドラマ『だから私は推しました』(NHK総合)。

 今年に入ってから『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』と、最もチャレンジングな意欲作を連発している感のあるNHK「よるドラ」枠が、次に手掛けるのは「地下アイドルと出会い、オタク沼にハマったOL」の物語。つまり、ゾンビ、腐女子の次は「地下アイドル」。

 しかし、オリジナル脚本を手掛けているのは、森下佳子。古くは『白夜行』を手掛けているように、ミステリーもお手の物。地道に健気に頑張る地下アイドルと、それを支える女子アイドルオタクの切なくも可愛い物語……であろうはずもない。と思ってはいたものの、第一話の冒頭に登場したのは、警察での取り調べシーン。

 主人公は、いわゆる「推し」の説明をしていたはずなのに、そこからたどり着くのは「マンションから転落した事件」=「だから私は押しました」という独白。そうきたか……。

 さらに、主人公・遠藤愛を演じるのは、連ドラ初主演となる桜井ユキ。『東京独身男子』(テレビ朝日系)で有能で美しく、肉食だが、結婚願望のない「AK女子」を演じていたのは記憶に新しい。

 だが、それよりも先に浮かんでくるのは『絶対正義』(東海テレビ・フジテレビ系)。何よりも正しさを求める真っすぐで危ない主人公・高規範子(山口紗弥加)の高校時代の同級生で、後にジャーナリストになるが、範子の正しさに追い詰められていき、崖から突き落とす友人の一人・今村和樹役だろう。

 なにせ『だから私は~』で桜井が「推す」アイドルは、『絶対正義』で山口の高校時代と、娘役の二役を演じていた白石聖だ。“桜井ユキ×白石聖”のタッグに、危険なニオイを感じないわけはない。

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