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今期、もっとも観るべきドラマは? ドラマ評論家が選ぶ、2019年夏ドラマ注目作ベスト5

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 梅雨も明け、さっそく連日、猛暑が続いている。そんな真夏の現場で役者たちが凌ぎを削り、熱い演技のぶつかり合いを見せている夏ドラマの放送が続々とスタートした。各局、力の入った作品が並ぶが、本当に観るべきはどのドラマだろうか。ドラマ評論家の成馬零一氏に、夏ドラマから注目すべきタイトルのベスト5を選んでもらった。(編集部)

1.凪のお暇(TBS系)

『凪のお暇』(c)TBS

 今クールは人気漫画のドラマ化が多いのだが、原作漫画のビジュアルと演出を活かそうとするあまり、ドラマとしてのテンポが悪くなっているものが多い。そんな中、一位の『凪のお暇』は、漫画をうまく咀嚼してテレビドラマの映像に落とし込んだ理想の映像化となっている。

 物語は、会社の人間関係に疲れて、恋人にも酷い扱いを受けた28歳の大島凪(黒木華)が会社を辞めて、SNSをすべて閉じて、立川市にある六畳一間の(クーラーもない)アパートで一人暮らしをはじめるというもの。

 SNSに象徴される人々が空気を読み合いながら、相互監視する「いいね」社会から抜け出して、昔ながらの疑似家族的な共同体に癒やされたいという現代人の抑圧された気持ちを描いていることが、原作漫画が高く評価される所以だろう。ドラマ版もそこは外してないが、見ている印象としては、むしろ、逃げようとしても逃げられない「空気」を読み合う息苦しさの方が突出しているように思える。

 黒木華、高橋一生、中村倫也の起用は、ビジュアルや年齢が漫画と違うと言われ放送前は不評だったが、いざ始まっていると評価は逆転した。中でも凪の恋人、我聞慎二を演じた高橋が素晴らしい。凪を支配しようとするクズ男で、あらゆる振る舞いが酷いのだが、本人は支配欲求をピュアな恋愛感情だと思っているのがタチが悪い。ここまで酷い男として描かれた慎二がどういう顛末を向かえるのかを見守るだけでも本作を見る価値はある。中村が演じる凪のお隣さんのイベントオーガナイザーの安良城ゴンも何を考えているかわからず不気味。今のところ登場人物が妙に不穏でホラーとして面白い。

2.ルパンの娘(フジテレビ系)

『ルパンの娘』(c)フジテレビ

 2位の『ルパンの娘』は、良質のコメディ。警察一家に生まれた刑事の桜庭和馬(瀬戸康史)と泥棒一家(Lの一族)の娘・三雲華(深田恭子)が正体を隠して愛し合うという『ロミオとジュリエット』的な話だが、出演俳優も含めた徹底的に作り込まれたビジュアルがもたらす作品世界の虚構としての完成度に圧倒される。

 チーフ演出の竹内英樹と脚本の徳永友一は今年大ヒットした映画『翔んで埼玉』のコンビ。劇中からツッコミを排除して、視聴者に預けたことが最大の勝因だろう。

      

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