桜井ユキの「感情の暴発」を見逃すな 連ドラ初主演『だから私は推しました』で見せる力量

『だから私は推しました』危険な魅力漂う桜井ユキ

 ちなみに、桜井ユキは「ユマニテ」所属。ドラマや映画好きの人は、名前を聞くと「ああ、なるほど」とピンとくるかもしれない。

 例えば、NHKの朝ドラ『まんぷく』ヒロイン・福子や、映画『万引き家族』で演技力が絶賛された安藤サクラ。福子の姪っ子として14歳の設定から違和感なく登場した岸井ゆきの。

 映画『寝ても覚めても』で多数の映画賞の主演男優賞を獲得するなど、演技派としての評価を高めている東出昌大や、『義母と娘のブルース』(TBS系)でみゆきの同級生・大樹を演じた井之脇海、若手演技派として多数の作品への出演が相次いでいる岡山天音、さらに門脇麦や満島真之介など、実力派の役者たちが揃う事務所なのだ。

 桜井ユキ自身、小学生の頃から女優を志し、一度は挫折したものの、諦めきれずに再度上京してきたという経歴の持ち主。多数の映画などに出演していたが、注目度が高まったのは、2016年にユマニテに移籍した頃からだろう。

 もともと幼少期は「人と話すのが苦手」「一人で殻に閉じこもって壁を作るタイプ」だったことを過去のインタビューで語っていたが、そんな過去のモヤモヤもドロドロした感情も、確実に演技の糧になっている。

 「美人女優」という健全な言葉ではその魅力の一部も伝わらない桜井ユキの本領が、『だから私は推しました』で存分に見られるはずだ。

■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。

■放送情報
『だから私は推しました』
2019年8月10日(土)午後11時30分~午前0時00分
脚本:森下佳子
出演:桜井ユキ、白石聖、細田善彦、松田るか、笠原秀幸、田中珠里、松川星、天木じゅん、川並淳一、榎田貴斗、小原滉平、篠原真衣、土井玲奈、木内義一、代走みつくに、澤部佑、村杉蝉之介
音楽:蔡忠浩
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/doruota/

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