『きみの鳥はうたえる』三宅唱が明かす、映画作りの醍醐味 「“幸福な時間”を体験してもらえたら」

三宅唱が明かす、映画作りの醍醐味

パッケージならではの“見方”

ーー本作は三宅監督初のパッケージ発売作品ということで、改めてパッケージならではの「見方」などがあれば教えてください。

三宅:もちろん、映画監督として劇場で観てもらいたい気持ちは一番ですが、映画館で観ることができなかった方に届ける機会ができることは単純にうれしいです。あとはやっぱり特典映像ですね。僕自身も大学生の頃からいろんなDVDの特典映像のメイキングなどを観て、「こんな楽しそうな仕事あるの?」と思って今に繋がっているようなものなので。今も監督や役者の副音声を聞いて、気づきを得ることも多いです。

 『きみの鳥はうたえる』も副音声を収録したので楽しんでいただければ。メイキングもいわゆるプロのカメラマンではなくて、ちょっと違う形のメイキングカメラマンにお願いしました。それゆえに、普通は絶対に入らないだろうっていう、それこそ友達みたいな距離感までカメラマンが入ってるんですよ。平気でとんでもないタイミングで撮影していて。なかなかいい姿がたくさん映っていると思います。あと、注目していただきたいのは、クラブのシーンの使っていない素材を使用して作った『シーン35』です。個人的にはもうこれは、新作短編と言いたい。

『きみの鳥はうたえる』未公開クラブシーン・ディレクターズカット

ーークラブのシーンがたまらなかった自分にとっては非常に楽しみです。劇場のときよりも距離が近い分、よりディテールを楽しむこともできますね。個人的には、佐知子のブラジャーを止めるシーンがあるじゃないですか。あれを1回前で付けて回すのとかが、すごいディテールがちゃんとされていてすごいなと……。

三宅:(笑)。演出の面白いところって、脚本には書いていないことをどう表現するかを考えることです。「ブラジャーを付ける」と書いてあっても、それをどう付けるかでその人物の個性が出る。タバコの吸い殻、タバコの銘柄、読んでいる本のタイトル……そういった具体を考えるのが映画作りの楽しいところでもあります。映画館で見逃していた方が自宅でリラックスした環境でもう1度観ることによって、そういった細部を新たに発見してもらえるなら、仕事した甲斐があると思います。あと、『きみの鳥はうたえる』は意外と友達や恋人とツッコミしながらダラダラ観たら楽しいんじゃないかな。

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(取材・文=石井達也/写真=服部健太郎)

■リリース情報
『きみの鳥はうたえる』
Blu-ray&DVD発売中

【Blu-ray 特別版】
価格:5,200円(税別)
仕様:2018年/日本/カラー/本編106分+特典映像132分/1.DTS-HDマスターオーディオ5.1ch 2.DTS-HDマスターオーディオ2.0ch/16:9 1080P High Definition スコープサイズ/2層/1枚組

<特典映像>
・トークイベント1(柄本佑×三宅監督)
・トークイベント2(石橋静河×三宅監督)
・トークイベント3(山本亜依×三宅監督)
・未公開クラブシーン・ディレクターズカット
・完成披露試写会
・オーディオコメンタリー
・メイキング
・予告編

<封入特典>
・特製スリーブケース(初回生産限定)

【DVD】
価格:3,800円(税別)
仕様:2018年/日本/カラー/本編106分+特典映像26分/1.ドルビーデジタル5.1ch 2.ドルビーデジタル2.0ch/16:9LB スコープサイズ/片面2層/1枚組

<特典映像>
・オーディオコメンタリー
・メイキング
・予告編

出演:柄本佑、石橋静河、染谷将太、足立智充、山本亜依、柴田貴哉、水間ロン、OMSB、 Hi'Spec、渡辺真起子、萩原聖人
監督・脚本:三宅唱
原作:佐藤泰志(『きみの鳥はうたえる』河出書房新社/クレイン刊)
音楽:Hi’Spec
企画・製作・プロデュース:菅原和博
プロデューサー:松井宏
製作:函館シネマアイリス
制作:Pigdom
発売元:日活
販売元:TCエンタテインメント
(c)HAKODATE CINEMA IRIS

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