『エンドゲーム』のヒントも? 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』予告編を徹底考察
我らが愛くるしいヒーローのMCU版ピーター・パーカーが帰ってきた! ……ん? 最後に見たとき彼は“気分が良くない”ようだったし、全人類の涙腺を崩壊させたはずじゃ。まるで、彼が死んでしまったことが我々の杞憂に過ぎなかったかのように、元気よく修学旅行に行く姿がこの度『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』初の予告編で明かされた。それだけではない。彼の目の前に現れた、これまたお決まりのFワードさえ言わせてもらえず消滅したと思った“あの人”や、遂にビジュアルが公開されたミステリオの姿も映し出されており、注目すべきポイントがてんこ盛りの予告編となっている。
かなり情報量の多い予告編であるため、一つ一つのシーンを解説すると共に本作の内容を考察していきたい(本記事は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『スパイダーマン:ホームカミング』のネタバレを含む)。
時系列は、『インフィニティ・ウォー』の前後どっち? 気になるトニーの不在
まず一番重要なのは、時系列。以前、ソニー・ピクチャーズのエイミー・パスカルがFANDOMのインタビューにて本作が「『アベンジャーズ:エンドゲーム』から数分後にはじまる」と答えていた。つまり一応(?)公式曰く、ピーター・パーカーとニック・フューリー、そして予告編に登場していたマリア・ヒルは“生き返った”と考えられる。
今回、海外版トレーラーはスパイダーマンがホームレスの支援イベントに出席しているところから始まる。ちなみにこの会場は、予告編の中でははっきりと明言されていないがコミックの中で登場したホームレスシェルター「F.E.A.S.T.」にソックリだ。ちなみにPS4の『Marvel's Spider-Man』にもこの場所は存在するので、ゲームを持っているファンは是非チェックしてみてほしい。
そこでは、前作のエンドクレジットでピーターがスパイダーマンとわかって発狂したメイおばさんがイベントの司会を務めていた。そして舞台裏にハッピーが大きな小切手のプロップを手にしてやってくる。それは「スターク救済財団」共同創設者・会長のペッパー・ポッツからのものであることが、サインから伺えるのだが、ここで先ほどの時系列の問題に戻りたい。
仮にこれが『エンドゲーム』直後の物語であり、ピーターたちが“復活”を遂げたのだとしたら……なぜ、それはトニー・スタークからのサインではないのか。彼の部下であるハッピーは、彼の側にいないでメイおばさんと恋に落ちているわけなのだが………トニーはもう、この世界には“いない”のか?
旅行グッズに隠された小ネタにも注目
今回、ヨーロッパに2週間修学旅行に行くことになったピーター。荷造りをしている時に、クローゼットの中にあるスーツを一瞥して「ヨーロッパでは親愛なる隣人は必要とされないよね……」と置いていくことを決めて、旅行鞄を閉める。まあ、のちに気を利かせたメイおばさんがこっそり入れておいてくれるのだけど……。さて、この鞄にチラッと映ったイニシャルが「BFP」。恐らく、これはあのベンおじさんこと、ベンジャミン・パーカーを指している。Fは、彼の名前の由来がベンジャミン・フランクリンであることから、フランクリンを指していると考えられる。MCU内で今までベンおじさんについて語られたことはなかったが、本作では話の中で出てくるかもしれない。
そして、空港でピーターが出したパスポートにも注目。彼の生年月日が8月10日となっているが、これはスパイディが初登場したコミック『Amazing Fantasy #15』の発売日である。しかし、不可解なのが普通のパスポートと違って年の記載が一切ない点だ。彼はこの旅行のためにパスポートを更新したことが予告編でもわかっており、つまり記載されるべき年は本作の“今”なのだ。もしかすると、これはMCUの時系列に関してこれ以上ヒントを出さないための工作なのかもしれない。