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『半分、青い。』美術デザイナーが語る制作の裏側 「必ずしも“再現”を重視するわけではない」

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ほかのどの作品よりも難しい朝ドラの美術

ーーバブル期の雰囲気が詰め込まれているのが、現在(5月26日時点)の主要舞台となっている「オフィス・ティンカーベル」です。

掛:「オフィス・ティンカーベル」はトレンディドラマのセットを目指しました。この時代の建築物は、室内に螺旋階段があったり、妙な段差があったり、天窓があったり、壁がパステルカラーだったり、無駄なものが多いんです。当時活躍していた建築家が設計したデザイナーズマンションを参考にしました。

ーー台本には「鈴愛がオフィスを見て驚く」というト書きがあったので、どんな形になるか楽しみにしていました。

掛:台本のト書きには「無機質で、モノトーンか何か、センスのいい空間。リッチでクール」と書かれていたのですが、モノトーンにしたら面白くないと感じました。漠然とパステルカラーの壁というのは頭の中にあったので、一旦こちらでデザインして、北川さんに納得していただきました。後日・漫画家くらもちふさこさんも見学に来ていただいて気に入っていただけたので、非常に嬉しかったです。

ーー秋風ハウスの中庭も斬新なデザインですね。

掛:北川さんから何か面白いものありませんか?とプロデューサー経由で相談を受けました。僕がトピアリー(常緑樹や低木を刈り込んで作ったオブジェ)を提案すると、上がってきた台本には「プテラノドンのトピアリー」と書いてあって(笑)。

ーーあのプテラノドンはインパクトがありました(笑)。

掛:地面に足がついている動物などでは面白くない。高いところにいるというのがいいと。でも、インパクトが強すぎて、お芝居でみんなそっちを見てしまっていました(笑)。

ーーどんなときに一番手応えを一感じますか?

掛:脚本家の北川さん、出演者の皆さんから、台本のイメージ通りと言っていただけたときは喜びがありますし、構築した美術とお芝居がうまくマッチングしたときは手応えを感じます。あとは放送後に視聴者の方々から反応をいただいたときですね。

ーー朝ドラ特有の美術の難しさはどんなところにあるでしょうか?

掛:1週間にいかに無駄なく撮影ができるセットをデザインできるかという点です。15年間、NHKで美術の仕事をしていますが、朝ドラが一番難しいと思います。カメラの動きをセットが制限してしまうと、撮影が破綻してしまう可能性があるわけです。すると予定通りに撮影ができない。その責任は何よりも大きいと思います。

(取材・文=石井達也)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

      

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