NiziU・MAYAが語る、自分らしくいることの大切さ 初挑戦の絵本『まっしろなちょうちょ』に込めた想い

NiziU・MAYA、初の絵本に込めた想いを語る

 NiziUのMAYAが、自身初となる全編描き下ろしの絵本『まっしろなちょうちょ』(KADOKAWA)を12月24日に発売した。一匹のまっしろなちょうちょ・ナビが「本当の自分の色」を探して旅に出る物語で、自尊心や自己肯定感、自分らしさといったテーマを優しく描き出した一冊だ。これまで歌とダンスで表現を続けてきた彼女だが、なぜ絵本という形に挑んだのか。主人公ナビに投影したこれまでの葛藤や、メンバーへの思い、そして絵本制作を経て見えた新たな表現の可能性までを聞いた。

自身初となる絵本には悩んだ過去を投影「どんな自分でいるのが正解なんだろう」

――まず、この絵本のお話を聞いたときの率直な気持ちを教えてください。

NiziU・MAYA

MAYA:絵を描くことも文章を読むことも、もともとすごく好きだったので、お話をいただいたときは本当にうれしかったです。歌とダンスとはまた違う形で、自分の思いや世界観を届けられる機会だと思って、ドキドキしながらも挑戦したいと思いました。

――同作は、どのようなテーマを込めた作品になっているんでしょうか。

MAYA:一番大きなテーマは「自尊心を高めること」だと思っています。ありのままの自分をどう愛してあげられるか、自分らしくいるとはどういうことなのかを、主人公のナビを通して描きたいと考えました。私自身、これまでの活動の中で「自分は何色なんだろう」「どんな自分でいるのが正解なんだろう」と悩んだ時期があって。ナビは私の分身みたいなところもあるので、そういったところにもぜひ注目していただきたいです。

――ナビのデザインはすぐに決まりましたか?

MAYA:いえ、ちょうちょや羽を何パターンも描いて「これは違う、これもしっくりこない」と何度も描き直しました。最初は模様の入ったちょうちょも試してみたのですが、最終的には丸みのあるシルエットで、ふわっとした印象のまっしろなちょうちょに落ち着きました。

――初めての絵本制作で大変なことが多かったと思います。その中でも特に大変だったことをお聞かせください。

MAYA:わかりやすい文章と絵だけで伝えるってことに一番苦戦しました。それに、趣味でやっていたことが正式に形になるということに対しても不安がありましたね。でも、そういう気持ちで作業していたときはメンバーが応援してくれたので、すごく自信がつきました。

ホールツアー中もメンバーに支えられて「手をぎゅっと握ってくれた」

――先ほど「どんな自分でいるのが正解なんだろう」とおっしゃっていました。その時期を振り返るとどのように感じますか?

MAYA:本当に苦しかったです。いろいろな色に染まろうとしているうちに「本当は何が好きか」ってことがわからなくなっていました。でも、今振り返ると、それも一つの大事な経験だったと思います。その時期を乗り越えたからこそ「自分らしくいることの大切さ」を改めて強く感じられるようになりましたから。

――これまで活動する中で、メンバーに支えられた瞬間も多いのではないでしょうか。

MAYA:本当にたくさんあります。最近ではホールツアー(「NiziU Live with U 2025 “NEW EMOTION : Face To Face”」)で各地を回らせていただいて、32公演という長い期間だったので、心がすり減りそうになる瞬間もありました。もちろんファンの皆さんの前に立つのは大好きなのですが、自分との葛藤が生まれることもあって。そんなときに、メンバーが手をぎゅっと握ってくれたんです。その温もりだけで「一人じゃない、大丈夫だ」と感じられて、言葉以上の愛を受け取った気がしました。あの瞬間は「いてくれてありがとう」と心から思いましたね。

――絵本の中には、ナビ以外にもさまざまなキャラクターが登場します。メンバーをモデルにしたキャラクターもいそうですね。

MAYA:実は「この子からはこんな気持ちをもらった」「この子が初めてこんな感情を教えてくれた」などメンバーから受け取ったものをキャラクターに重ねています。その感情の違いを、それぞれキャラクターの形や色、大きさを変えて表現しました。

絵本制作を経て見つけた可能性「歌とダンスだけが表現の場ではない」

――ちなみに、絵を描く時間を作ることで、普段の活動にいい影響を与えている部分もあるんでしょうか。

MAYA:アウトプットが多くなるといっぱいいっぱいになってしまうので、インプットの時間として絵を描くことが多いですね。あと、ライブが終わった夜はアドレナリンが出て気持ちがそわそわしちゃうことがあるので、落ち着かせるために絵を描いたりします。そうすることで、心と体のバランスを整えています。

――今回の絵本制作を通して、創作活動への意欲は高まりましたか?

MAYA:制作中は「こうしたほうがいい作品になるのでは」と、いろいろなアイディアが浮かぶくらい、向上心を持って取り組めました。この期間はすごく勉強になったので、成長するうえでの一つの過程だったんじゃないかなと思います。それに「歌とダンスだけが表現の場ではないんだ」と自分の可能性を改めて感じられましたし、新たな表現の場を見つけることができました。これからも、自分の思いや世界観を表現できる場所が増えたらいいなと思っています。

――今後の創作活動が楽しみです。最後に、絵本を楽しみにしている読者やファンの方々へメッセージをお願いします。

MAYA:たくさんの方のサポートのおかげで完成した、私自身がぎゅっと詰まった作品です。子どもから大人までたくさんの方に読んでいただいて、皆さんにほっこりした温かさが届いたらうれしいです。

▪️商品情報

『まっしろなちょうちょ』(NiziU MAYA/KADOKAWA)

書名:まっしろなちょうちょ
著者:NiziU MAYA
定価:1,980円(10%税込)
発売:2025年12月24日(水)
発売・発行:株式会社KADOKAWA

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる