【漫画】悪霊は”語って"倒す? 3年越しに描き上げたホラー × バトルの新感覚漫画『百物語人間』に反響

3年前のネームが始まり
――『百物語人間』制作の経緯を教えてください。
カタツ中毒:本作は3年前くらいにネームだけ描いて、「ちょっと今の自分でこの内容に見合う絵はつけられないな」と思って放置していました。ただ、昨夏に個人的に落ち込むことがあったのですが、恐らく「とにかく何か絵を描いて発散したい」という気持ちになり、「あの漫画に絵をつけたいな…」と思って制作しました。
――そもそも、なぜ「魔」と対峙するホラー系のバトル漫画にしたのですか?
カタツ中毒:“突然死したラジオDJ の弟の死の真相を主人公が追う”というストーリーのホラーゲーム『深夜放送』の影響です。作中に終末期に送られてきた不気味なラジオが流れるのですが、その内容が面白くて刺激的でした。「この刺激を形にできないか」と思ってるうちに『百物語人間』というタイトル案だけが浮かび、そこから肉付けしていった感じです。
——「人間だった時の話を聞かせて消滅する」という撃退方法は秀逸でしたね。
カタツ中毒:“奇妙な死に方をした7人が死後学校の放送室に集まって自身の死の状況を語る”という漫画のネームがあります。その中で登場した“毎晩飛行機が墜落して死ぬ夢を見る”というエピソードがあり、「これを活かそう」と思って撃退方法を考えました。アイデアの再利用。エコですね。
今後描きたい作品は
——序盤は1ページに一カ所はクスッと笑える描写が入っており、単調にならないように工夫されている印象でした。
カタツ中毒:そうですね!ちょっと表情が緩むくらいのコメディがこまめに挟むことで、「ページを捲る潤滑油になってくれるんじゃないか?」と思っています。とはいえ、「空気に合っていないのでは?「しつこくなりすぎていないか?」ということには注意しています。
——改めてクスッと笑える描写のバランスはどのように調整していますか?
カタツ中毒:序盤は多めが良いと思っています。テーマパークとかでも入り口付近に怖いお兄さんがたむろしているより、ベンチに座っている家族連れがにこやかに過ごしているほうが入りやすいですよね。そのイメージで調整しています。
——また、奇書を読みながら応戦する戦闘シーンを描く際に意識したことは?
カタツ中毒:先述した通り、「とにかく絵が描きたい」という気持ちだったため、「できるだけ面倒な絵をいっぱい描きたい」と思って作画に臨みました。また、個人的に重視していることなのですが、「いつ、どこで、誰が、どんな状況?」というのは可能な限りわかりやすくなるように気をつけています。改めて先ほど読み返したのですが「ちょっとわかりにくいな…」と思う箇所もあったため、もっと修行が必要ですね。
――今後の漫画制作はどのように展開していく予定ですか?
カタツ中毒:「僕のXをフォローしたり見たりしている人達は、僕の描く他作品のファンアートや可愛い女の子を求めている」と考えています。ただ、本当は今回のようにオリジナル作品を思い切り描いて公開したいのですが、それではフォロワーさんもビックリしてしまいますよね。
――カタツ中毒さんとフォロワーのニーズの乖離があると。
カタツ中毒:はい。とはいえ、「今年は何本か長編の漫画を描いて載せたい」という気持ちは強く、「読んでくれる人が喜び、楽しめる作品が描きたい」という部分も意識したいです。本作は落ち込んだ気分を発散するために描いた作品ですので、死体や下着姿の女の子が出てきたりなど、読者さんへの配慮があまりできていませんでした。その反省を活かして次は“人は死なずにグロいシーンも無くて女の子も1人も出ない漫画”を描こうと思います。
◾️『百物語人間』の続きはカタツ中毒氏のX(@TihVRiVfKA86P2y)で全編公開中!:https://x.com/TihVRiVfKA86P2y/status/1863161138814636386
























