前澤友作の“株がもらえる”著書『国民総株主』が予約好調 上場を目指す株式会社カブ&ピースとは?
実業家・前澤友作氏の初の著書『国民総株主』(幻冬舎/12月25日発売)が現在、Amazon売れ筋ランキング(本)で1位を快走するなど注目を集めている。
前澤氏はSNSを通じてフォロワーに現金を配布する「お金配り」で広く耳目を集めたが、11月10日、Xで「これからは株配り」と宣言。その言葉通り、本書には購入者特典として同氏が代表を務める株式会社カブ&ピースの株引換券が付属しており、これがビジネスパーソンという枠を超えた読者層の関心を惹いているようだ。ちなみに前澤氏は、ZOZOのマザーズ上場(2007年)に際して自身が保有する株式の一部を全社員に無償配布しており、「日本に株主を増やす=国民総株主」という“作戦”に着手していた。
お金配りはもうしません。
これからは株配りです。
そっちのが未来に繋がるので。— 前澤友作 (@yousuck2020) November 10, 2024
その経緯や意図を伝えるのが本書『国民総株主』で、これはカブ&ピース社が11月20日に開始したサービス「カブアンド」と連動した施策だ。明石家さんまを起用したコマーシャルでも広報されているが、これは同社が提供する電気やガス、ウォーターサーバー、モバイル通信など各種サービスを利用することで、「ポイント」ではなく、同社の「未公開株式」がもらえるというもの。前澤氏は公式YouTubeチャンネルの動画にて「(カブ&ピース社の未公開株を取得することで)ぶっちゃけどんだけ儲かるの?」という視聴者の質問に対し、「何度も言ってますけれども、上場を目指しています。未公開株が上場する。これで想像していただければ」と回答している。
もっとも、ネットではサービス自体の割高感や、ロックアップ(IPOの売り出しから一定の期間、市場で持ち株を売却できないという契約を交わす制度)への懸念も語られており、ひろゆき氏の「上場ゴール狙いじゃん」(11月27日、Xでのポスト)に象徴される批判の声も上がっている。その意味でも、インフラサービスを切り替えるという手間やリスクなく、一冊の本の購入で利益が出ることに期待しながら過ごせる『国民総株主』は、楽しいアイテムと言えそうで、それが予約の好調につながっているのかもしれない。