『僕のヒーローアカデミア』オールマイトが全財産を投じた「エルクレス」でも再現しきれなかった個性を検証

『僕のヒーローアカデミア』オールマイトが全財産を投じた「エルクレス」でも再現しきれなかった個性を検証

 8月5日発売の「週刊少年ジャンプ」36・37合併号で完結することが明らかになった、人気ヒーロー漫画『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平)。「個性」と呼ばれるさまざまな異能力の他、自動で地中を移動するシェルターなど、魅力的な科学技術も見どころの作品だ。

 最強クラスの個性=ワン・フォー・オールを主人公の緑谷出久に受け継ぎ、無個性となったオールマイトは、AIを搭載したサポートアイテム「エルクレス」と、技術力の結晶といえるアーマーを身にまとって最凶のヴィラン=オール・フォー・ワンと戦った。この装備の最大の特徴は、1年A組生徒の個性を模倣し、能力を多数再現できること。本稿では再現しきれなかった個性に焦点を当てて、その理由を探っていきたい。

 エルクレスは、オールマイトのサポートをしているAIシステムが搭載されたスポーツカーの名称だ。ワン・フォー・オールの力を失ったオールマイトは、再び戦う力を得るため、私財を全て投げ打ちパワードスーツや拡張機器を製作。アーマード・オールマイトとして、オール・フォー・ワンに立ち向かった。

 戦闘開始早々、拡張ユニットから繰り出されたのは、緑谷の「ブラックウィップ」。これを模したワイヤーでオール・フォー・ワンを拘束し、上鳴電気の個性を模した電撃「チャージズマ」を繰り出した。息をつく間もなく、砂藤力道「シュガーマン」のビルドアップとして足にアーマーを増強。瀬呂範太の「セロファン」のようにワイヤーを巻きとって高速移動し、加速力を活かしたキックは、緑谷の「シュートスタイル」スマッシュを再現している。

 このように、1年A組の個性を真似できる拡張機器を用いてオール・フォー・ワンと激闘を繰り広げたわけだが、触れたものを浮かせる個性のウラビティ、半冷半熱のショート、光の屈折を操るインビジブルガールは、登場こそしているものの、どんな機能を持っていたのか、その力はわかりにくいものであった。

再現しやすい個性は「機械的」なもの?

 本作の異能力である「個性」は、身体的なもの、機械的なもの、自然物的なものの3つに大きく分類することができる。例えば、超パワーを発揮するワン・フォー・オールは身体的なもの、イヤホンやスピーカーで音を操る耳郎響香の「イヤホンジャック」は機械的なものといえるだろう。

 そのためエルクレスは、身体的や自然的な個性に比べ、より機械的な個性の方が再現率は高い。20名いる1年A組の中で、エルクレスが唯一必殺技を模倣できたのは、機械的な個性をもつ青山優雅のネビルレーザー「CAN`T STOP TWINKLING」だけ。個性の技を使っているものも、ごく少数だった。また、体内で酸を生成する芦戸三奈の個性のように、「実物(この場合は酸)」が存在している能力や、尾白猿夫の個性「尻尾」のようにシンプルなものも、再現できるといっていいだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる