ブック・コーディネーター内沼晋太郎、作り手と売り手をつなげるYouTube開設「自分がハブとなる」
ブック・コーディネーターの内沼晋太郎は、自身のX(旧Twitter)とnoteにて、「本チャンネル」というYouTubeとPodcastを開設することを発表した。
市場を意識したいわゆるマーケットインで作られらた本だけではなく、「世に出すべきだ」という意志のもと、プロダクトアウトで作られた本が話題になって売れていく状態をつくることを目的として、新刊を紹介する番組の配信が予定されている。
内沼はX(旧Twitter)にて、ハッシュタグ 「今日発売の気になる新刊」を使い、内沼がセレクトした多くの新刊を紹介してきた。日本では年間約7万点、1日にはなんと200点〜400点以上の書籍が出版されている。玉石混交の大量の新刊情報が流れる中、書店員が全ての新刊の情報をチェックすることは困難だ。そんな中、ハッシュタグ 「今日発売の気になる新刊」は、多くの書店員の情報収集の一助となっている。
今回のYouTubeは、Ginza Sony Park Miniにて2023年6月に行われた、ハッシュタグ 「今日発売の気になる新刊」を元にしたポップアップ「内沼晋太郎の #今日発売の気になる新刊 書店」の企画から着想し、紹介する本の著者や訳者、編集者に話を聞く番組となる。
noteでの発表内で、内沼は「効率化に向けて、大きな書店や取次や出版社とテクノロジー企業がタッグを組み、あらたな事業体をつくったりしながら行われている取り組みに否定的ではありません。むしろ、とても期待しています。」「とはいえ一方で、まず自分が世に出すべきと思える本をつくる、それを意志を持って売ろうとしてくれる書店に届ける、人を介して本が手に取られるような場を増やしていく――といったことも同様に大切で、必要なものだ」「まずは自分がハブとなって、弱くともつながることができる場をつくりたい」とコメント。「〈この番組で紹介されると本が売れる〉という状態」を目指すという。
また、書店員向けのニュースレターでは、YouTubeの番組内で紹介する書籍を、番組公開の3週間前を目安として事前に紹介。気になる本があれば、売り場やSNSで宣伝してほしい、と呼びかける。まさに、熱い想いで出版した作り手と、それに共感する売り手を繋ぐ「ハブとなる」試みだ。
番組の配信開始は2023年の12月中旬を予定している。今後の動きに期待したい。チャンネル登録をして待とう。
YouTube「本チャンネル」
https://www.youtube.com/@the-book-channel
内沼晋太郎 note 「私はなぜYoutuberになるのか(1)」
https://note.com/numa/n/n0f52ac208deb#013b6715-68bb-4a9d-a07e-4fdff449e8b9
■内沼晋太郎 プロフィール
1980年生まれ。一橋大学商学部卒。
NUMABOOKS代表、ブック・コーディネーター。株式会社バリューブックス取締役。
2012年にビールが飲めて毎日イベントを開催する新刊書店「本屋B&B」を、2017年に出版社「NUMABOOKS出版部」を、2020年に日記専門店「日記屋 月日」をそれぞれ開業。
また、東京・下北沢「BONUS TRACK」の運営を行う株式会社散歩社の取締役もつとめる。著書に『これからの本屋読本』(NHK出版)『本の未来を探す旅 台北』『本の未来を探す旅 ソウル』『本の逆襲』(朝日出版社)などがある。
現在、東京・下北沢と長野・御代田の二拠点生活。二児の父。
・X(旧Twitter) :https://twitter.com/numabooks
・note :https://note.com/numa/