【4刷重版】「パウンドケーキの本」お気に入りの味を作る、50レシピを紹介した永久保存版

「パウンドケーキの本」が4刷重版

 おいしくできたから、半分はあの人にも食べてもらいたい。幸せを分けられる、楽しさのあるお菓子。2019年5月に発売された『パウンドケーキの本』(東京書籍)は、好評につき4刷が決定。材料と配合、プラスαの仕上げ、パウンド型と型の下準備、パウンドケーキ作りのQ&Aなどの基本から、パウンドケーキ作りを工程写真とともに丁寧に解説している。

 パウンドケーキ。なんだか、丸いケーキより簡単にできそうな気がしませんか? 実際、長方形は丸形より中心まで火が入りやすく、だから、焼いたら中が生焼けだったということがあまりないんです。

 私が、高校生の頃に夢中で焼いていたのは、チャツネ入りフルーツケーキ。パウンド型は持ってはいたけれど、いつも紙のパウンド型を買って作っていました。当時、下宿をしながら高校へ通っていたので、離れたところにいる両親や、伯母や、友人に、頻繁に送っていました。箱にも入りやすいし、送っても壊れにくいから、プレゼントにも最適でした。チャツネ入りフルーツケーキの配合は、その当時のものから改良を重ね、 今も一番好きな自慢のお菓子です。

 お菓子が仕事になってからは、どんなパウンド型がこの生地に合うのか、よりおいしそうに素敵に見えるのかと、私なりの好みが出てきたけれど、でも、型は、一つ、二つあれば、いろいろなパウンドケーキが作れます。

 パウンドケーキをフランスでは、カトルカール、ケーク、ガトー・ド・ボワイヤージュ(旅行用のお菓子)と呼んだりします。旅のお菓子。初めてこの言葉を知ったとき、なんて素敵 ! と思ったものです。日持ちがするという意味からきているのでしょう。

 そう。パウンドケーキは、変化を楽しみながら、ゆっくり味わえるのが魅力です。夏は室温が高いから、やわらかく感じる。冷やしたらおいしい場合もあるので、試してみて、好きなかたさを見つけ出し、違ったおいしさが生まれます。冬は寒いので、ぐっと生地がしまり、かたく感じます。だから、おやつには焼きたてを厚めに切って食べたり、寒い朝の朝食には、カリッとトースターで焼いてもいいんです。寒いと熟成が遅い場合があるので、最後の一切れが一番おいしいこともあります。

 お菓子の第一印象。自分にとって大事にしていることの一つです。一口、口に入った途端に、これ、おいしい !  と思えるようなお気に入りを。また食べたいと印象に残るようなパウンドケーキを。おいしくできたから、半分は、あの人にも食べてもらいたいと思うような味を。パウンドケーキは幸せを分けられる、愉しさのあるお菓子です。――田中博子(はじめに)

書籍概要

『パウンドケーキの本』
■田中博子/著 
■定価1,870円(本体1,700円+税10%)
■B5変型・112頁
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81221/

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