更年期を乗り切ろうとする川柳も 『大人のおしゃれ手帖』第2回「更年期川柳」授賞式開催
50代向け女性ファッション雑誌『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)が主催する第2回「更年期川柳」の授賞式が、2024年11月20日(水)グレイドパーク表参道にて開催された。
会場には受賞者と読者30名を招待。受賞者のスピーチでは、更年期を支えてくれた医師との出会いや 友人・家族の支えに対する感謝の思いが述べられた。イベントでは、審査委員長を務めた大久保佳代子のビデオレターの放送のほか、俳優の別所哲也と産婦人科医の高尾美穂をゲストに迎えて更年期の症状やエピソードについて語るトークを行い、参加者からの悩み相談にも答えた。さらに更年期に最適な座ってできるプチ・ヨガレッスンも実施された。
『大人のおしゃれ手帖』の橘真子編集長は、今年の応募数は2721作品で昨年の2倍となったこと、特に男性更年期についての川柳が増えるとともに、更年期に対する男性陣のとまどいも感じられる川柳があったことを明かした。また、女性からの応募作品は更年期を悲観するだけではなく、乗り切ろうとする川柳が多くみられたとも話した。「更年期川柳」の作品を世の中に届けることで、夫婦、家族、友人のなかで話のきっかけにつなげて健康課題の理解を深め、当事者が1人で抱え込む状況を開放していきたいと総括した。審査委員長の大久保佳代子は、ビデオレターにて「まさに更年期真っ只中なお年頃なので喜んでお受けしました。自身が1番つらい症状は「温度調整」。ずっと暑いので、エアコンの温度を下げてしまいますね。若い子に気をつかわせてしまっているかも……。 たまに、この先の未来が絶望的に感じる時があり、愛犬のぱこみちゃんを抱き締めてやり過ごしている。皆さんの川柳を見て、自分だけではないんだと連帯感・共感を持てて救われた。更年期には必ず終わりは来ますので、何とか乗り切っていきましょう!」とコメント。
審査員の高尾美穂は、「審査員の役割を貰い、新しい体験だと思った。更年期が広く認識され語られるようになって長く見積もってもせいぜい4〜5年、色んな選択肢が持てるようになればいいと思っている。そのためには、ある程度の理解が必要。だからこそ女性の更年期の話題を男性が取り上げる割合が増えているのは、嬉しく思うし、男性のことも知っておきたいという想いになる。お互いの気持ちが交錯する場となればいいと思っている。更年期川柳という言葉は、今後メジャーな言葉となるのではと思うくらい響きがいい。自分も更年期世代だが、「THE 更年期」というのが気に入っている。私たちの次の世代、自分の子供世代が更年期になった際は、もっと社会が更年期について理解し、様々な選択肢をちゅうちょなく選べる時代に、それぞれしたいことが思うように出来る、そんな社会になっていく真っ只中だと感じる。そういう社会になっていくための今の私たちの取り組みだと思っている」と語った。
「当イベントにて、女性たちだけが集まるよりも男性の理解が不可欠、男性の視点や意見もいただきたい」という橘編集長からの依頼によりゲスト出演した別所は、自身の近況や更年期について聞かれ「毎年開催している映画祭の20周年を終えた時に、20年という節目で燃え尽き症候群になってしまった。今思えば、50代にはいって、人生の第3コーナーにはいったのかな、と。もともとショー トスリーパーだけど、寝つきが悪くなったりもした」「次の目標を見つけていこう、見つければなんとかなると思ったが、症状が続いたので、かかりつけ医に相談して自律神経やホルモンのチェックをしてもらった。異常はなかったが、かかりつけ医に確認していくことが必要なのだと改めて実感した」と語った。さらに更年期については「基礎知識がほとんどない。女性特有なんじゃないかと思っていた。こちらから聞くタイミングも、知るすべもなく」という状況だったとも明かした。 産婦人科医の高尾は、更年期を取り巻く現状について「女性の更年期は多くの女性が悩み、いずれどうにかなるという時期を通り越すというのが親世代。社会で取り上げられるようになった背景としては、 不調のある女性でも働かなければいけない背景にあり、もっと知っていきたいよね、という世の中になっていることが大きい。世の中でジェンダー平等というのができたが、男性更年期障害も一緒に広めていきたい」と語った。また、女性の更年期の男性側の理解は進んでいるかと問われた高尾は「産業医の仕事をしているが、 アンケートをとったところ、「イライラしているおばさん」というイメージがついていた。自分は関係ない、身近にいると自分が被害を受けているという風に思われている。自分たちも同じようなことが起こるかもしれないとおもってもらえればいい」と話した。
「更年期なんじゃないか、という男性も増えている」という現状について、別所は「ちょうど定年を迎える時期は、人生のライフステージにも体のライフステージにも動きがでてくる時期になる。日常生活の中で語り合える世界があればいいなと思う」と語った。