【ライトノベル最新動向】『わたしの幸せな結婚』14週連続1位を達成! 『魔法科』『とある』のスピンオフも

『わたしの幸せな結婚』14周連続1位

 元からの人気にTVアニメの評判も加わって、Rakutenブックスの週間ライトノベルランキング(8月7日~13日)では顎木あくみ『わたしの幸せな結婚』シリーズがすべてランクイン。最新刊『わたしの幸せな結婚 七』(富士見L文庫)が14週連続で第1位となったほか、4位に第3巻、5位に第5巻、7位に第2巻、9位に第6巻、11位に第1巻、12位に第4巻がずらりと並んだ。

 家族に虐げられてきた斎森美世という女性が、冷酷無慈悲と噂されていた久堂清霞の婚約者となっておそるおそる訪ねた家で、清霞の思いがけない優しさに触れて心を開き、幸せを感じていく。そんな展開で心をくすぐってくれていたTVアニメが、第6話できなりの異能バトル勃発となって驚いた視聴者も多そう。どのような作品なのか、この先いったいどうなってしまうのかといった興味から、原作小説や、高坂りとによるコミカライズを読み始めているようだ。

 TVアニメの方は、第1巻のエピソードが終わって第2巻へと突入したことで、異能力をめぐるファンタジーといった雰囲気が強まってくる。異能がないからと父親や継母、継妹に見下されてきた美世は本当に無能力なのかといった疑問が浮上。美世の母親の一族が得意とするある異能の力に帝が怯え、謀略に手を染めていたことも見えてきて、物語の世界が美世を中心に大きく動き始める。

 そうした中で、美世を思って行動する清霞の清冽さが改めて感じられるエピソードになりそう。アニメで描かれる美世と清霞の強い絆に触れれば、それがどのような感情を2人にもたらすかを確かめたくて小説を読みたくなる。逆に小説やコミカライズを読んでいる人は、上田麗奈がか細い声で薄幸ぶりを見事に演じた美世の待望の覚醒と、第1巻以上に苦難に見舞われる清霞の奮闘が、どう描かれるかを確かめるためにTVアニメを見ざるを得ない。“わた婚”旋風はまだまだ続きそうだ。

 ランキングの2位は、佐島勤『魔法科高校の劣等生 夜の帳に闇は閃く』(電撃文庫)。司波達也という、1人で世界を相手に戦えるとてつもない力を持った魔法師と、その妹で婚約者という司波深雪を中心にして描かれて来た『魔法科高校の劣等生』シリーズのスピンオフで、本編にも登場して達也や深雪を陰から護ってきた黒羽亜夜子と文弥の双子の姉弟の戦いが描かれる。

 すでに魔法大学へと進んでいた達也と深雪を追うようにして、亜夜子と文弥も魔法大学へと進み、魔法科高校の時以上に身辺警護の仕事に努めるようになる。どうやら海外のマフィアが達也を狙って要員を送り込んできたようで、文弥は配下の人員を動かして襲撃者を排除していく。そもそも達也に危害を加えられる存在などいないにも関わらず、周囲が誰も近寄らせないように気を配っている構図から、改めて司波達也という存在の巨大さが見えてくる。

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