【漫画】もしもスマホに手足が生えて逃げ出したら? 爆笑のギャグ漫画『スマホに手足が生えただけなのに』
――本作には約3.5万いいねが集まっています。この反響についてはいかがですか。
赤信号わたる(以下、赤信号):描いてる最中は常に「自分は面白いと思うけど、他の人もそうかはわからない」という不安でいっぱいですから、読者さんの反応は心からありがたいですね。
――「スマホに手足が生えて逃げ出す」という物語の着想はどこから?
赤信号:友人のアーティストが本物のスマホを加工して持ち主の個性を表現する作品を作っていて、「現代人の個性はスマホの中に眠っている」と言っていたんです。それが面白くて、漫画で表現できないかとアイデアを温めていました。
――持ち主の趣向を学習する、という点でAIやChat GPTも連想させました。
赤信号:Chat GPTと結びつけて考えたことはありませんでしたが、興味深いですね。昔ながらのAIなどの描写は均一的で合理的、または無機質なイメージがほとんどでした。でも実際にはChatGPTのように使う人間の個性を反映して多様化していくのかもしれません。
――軽妙なセリフのやりとりも笑えましたが、制作時はどのように考えています?
赤信号:最初に大まかなプロットは考えますが、その後はできるだけ何も考えないように努めてます。考えすぎるとストーリーを追うあまりにキャラが生きてこないので。最初の数ページ描いてキャラが理解できたら後は彼らが動きたいように任せる感じです。
――特に最後、菊池が笑顔で捨て台詞を吐くコマが印象に残りましたが、作者としてお気に入りの部分は?
赤信号:僕もあの場面が一番好きです(笑)。あそこに至るまでの流れで両者の親友感を描けているからこそ、嫌な悪口ではない清々しさが出せました。
――ところで度々、童話を題材にされていますが、その際はどのようなコンセプトで制作されていますか。
赤信号:童話は大体の人がストーリーを知っているという強みがあるので、そこから少し内容をズラした時にギャップが発生して面白さに繋がります。ただ、やり過ぎたり弱すぎたりしないようには気をつけてますね。
――展望やチャレンジしたいことなどがあれば最後にお願いします。
赤信号:ウェブ漫画は雑誌連載漫画との一番の違いは公開までのスピード。雑誌は連載までいくつもの関門を越える必要があり、開始まで数年かかってしまうこともザラにあります。その強みを活かしたスピード感で、思いついたアイデアはジャンル・絵柄を問わず何でも試していきたいと思ってます。