『ONE PIECE』ウルージさんの活躍が期待されるのはなぜ? 人気の理由と“名前の由来”を解説
「週刊少年ジャンプ」での連載がついに最終章を迎え、衝撃の展開が続く『ONE PIECE』(尾田栄一郎)。毎回のように活躍が見たかったキャラクターが期待に応えており、長年のファンを喜ばせているが、そのなかでも今後の登場が気になる人気者がいる。本作の主人公モンキー・D・ルフィやラスボス的存在感のある”黒ひげ”マーシャル・D・ティーチも含まれる「最悪の世代」に名を連ねながら、本編での具体的な描写が限定的な“ウルージさん”こと怪僧ウルージだ。
「破戒僧海賊団」で僧正を務めるウルージは、初登場時で45歳。“ルーキー”というには年齢を重ねており、「破壊僧」という尖った設定と袈裟姿に大きな数珠、見るからに強靭な体躯、渋すぎる強面に海賊らしいあごひげを蓄え、そのイメージに不釣り合いな白い翼というビジュアルも相まって、ネット上で根強い人気を獲得してきた。この印象的なキャラクターを愛し、その活躍を見守る人々は「ウルジスト」と呼ばれ、単なるネットミーム的なネタとも言い切れない勢力を形成している。
その強さは、まだ謎に包まれている。受けたダメージに応じて巨大化し、強力な一撃を繰り出す能力は確認されているが、それが「悪魔の実」によるものかは明かされておらず、どんな仲間に恵まれているかも不明だ。しかし、ルフィと激闘を演じた映画『ONEPIECE STAMPEDE』での活躍や、キッド海賊団の戦闘員・キラーとの戦い、ビッグ・マム海賊団で最高幹部「スイート4将星」に数えられるシャーロット・スナックを撃破していることなどを踏まえると、高い能力を持っていることが伺える。
作中最強格と思われる海軍大将“黄猿”(ボルサリーノ)に軽くあしらわれる描写もあり、“得体の知れない強さ”を持ったキャラクターではないが、苦境にあっても笑顔を見せる器の大きさと、豪快な生き様が魅力的だ。
ビッグ・マムに船を沈めながらもしぶとく生き残っていることも、今後の活躍が期待される要因だが、もうひとつ「命名の由来」もなかなか強い。
単行本52巻の質問コーナー「SBS」にて、ウルージという名前の由来が、16世紀のアラブ人海賊・バルバロッサ兄弟の兄、バルバロス・ウルージ(オルチ)だと明かされている(※ギリシャ人、トルコ人という説もあり)。“赤ひげ”の愛称で知られ、オスマン帝国に重用された大海賊であり、スペイン海軍と渡り合った逸話もある。いわば伝説の海賊であり、その名を冠したウルージがこのまま終わるわけない、とも思える。
バルバロッサ兄弟の弟はバルバロス・ハイレッディン(ハイルディン)という名で、オスマン帝国の提督にまで上り詰めた人物だ。ウルージに超強キャラの弟がいるかも……という期待もあるが、『ONE PIECE』の世界には、すでに新巨兵海賊団船長&麦わら大船団6番船船長のハイルディンがいることは押さえておきたい。
いずれにしても、来るべき最終決戦に向けてウルージの活躍が描かれれば、大きく盛り上がるだろう。クリーク海賊団のギンや神・エネルなど、再登場が期待されるキャラクターとともに、再び姿が見られることを楽しみにしたい。