『HUNTER×HUNTER』カイト、ジャイロ……何よりゴン? 連載再開後、登場に期待したいキャラクターを考える

 「週刊少年ジャンプ」での週刊連載を終え、現在は新しい掲載ペースを模索しながら制作が続けられている人気漫画『HUNTER×HUNTER』。最後に進捗状況が伝えられたのは3月9日、作者・冨樫義博氏の公式Twitterで「401話」の完成を報告しているが、連載再開のアナウンスはまだない状況だ。

 しかしながら、ファンは長期休載に慣れており、舞台やコラボカフェを楽しんだり、物語やキャラクターに対する考察を広げたりと、SNSからも思い思いに作品を楽しんでいる様子が伝わってくる。連載再開を待ちながら、いまにある素材から楽しみを見出すのもファンの嗜みなのかもしれない。

 そんななかで考えたいのが、「人気キャラクターの再登場」について。長期の休載が多く、安定的に物語が進行してこなかったこともあり、“現実時間”でかなりのご無沙汰になっているキャラクターや、伏線が回収されないまま風化しそうなキャラクターも少なくないのだ。

※本稿は『HUNTER×HUNTER』のネタバレを含みます。

 まずもって、本作の主人公であるゴン=フリークスが、長年登場していない。彼の姿が最後にきちんと描かれたのは、コミックス33巻に収録された345話、「ジャンプ」の連載で考えると、2014年6月16日発売号に掲載された回であり、約8年前からほぼ出番がない状態が続いている。ゴンは現在、念能力を失っており、故郷のくじら島で療養中。物語の舞台は遠く「暗黒大陸」に向かう巨大な船・ブラックホエール号であり、ここにゴンがどう絡んでくるか想像するのが難しいが、鬼才・冨樫義博ならうまく復帰させてくれるのではないかと期待してしまう。

 準主役級といえるキャラクターとして、キルア=ゾルディックの現在も詳細が不明だ。妹(性別は正確には不明だが、キルアはそう認識している様子)のアルカと旅に出る……というところまでは描かれており、この旅が物語の本筋にかかわってくるだろうか。アルカの存在は暗黒大陸に通じそうな要素もあり、その関係性も気になるところ。能力の面でも人気の面でも、作中トップクラスのポテンシャルを持つキャラクターだけに、成長した姿が早く見たいものだ。

 ゴンが敬愛するハンターであり、「キメラアント編」であまりにも衝撃的な“死”を迎えたカイトも、再登場が待たれる。一般的な少年漫画として読んだとき、あっけなく死ぬはずがないカイトが犠牲になったことは、作品の緊張感と興奮が飛躍的に上がる出来事だった。その後、作中最強クラスの能力を持つ蟻の王・メルエムの双子の妹(レイナ)として転生しており、もともと高かった能力が大幅に強化されている可能性もある。カイトちゃん(公式の呼称)は「暗黒大陸」にも通用しそうな数少ない既存キャラクターであり、今後の活躍が期待されるところだ。

 そして、ファンの多くがその動向を気にしているのが、登場機会こそ少ないものの、同じくキメラアント編で鮮烈な存在感を示し、姿を消したジャイロだ。表向きは自然主義団体で、裏では麻薬の製造を行っていたNGLの設立者であり、キメラアントの女王に喰われて転生した後も、その強固な意志で生前の記憶を維持し、何らかの目的のため旅立っている。断片的なエピソードからそのカリスマ性を記憶に刻む冨樫氏の手腕に感服するところだが、こちらも暗黒大陸に通用しそうなキャラクターであり、早期の伏線回収に期待してしまう。

 その他、ハンター協会の有名人になったレオリオの動向も気になるし、ゴン・キルアの“兄弟子”ともいえる体育会系の努力家=ズシはどう成長しているだろうか、ナックル&シュートのコンビは何をしていて、ビスケは相変わらずなのか……と、チラリとでも現状が知りたいキャラクターは枚挙にいとまがない。新たな連載ペースが決まり、安定的に物語が進行し始めれば、こうしたキャラクターに再び会える日も遠くないだろう。まずは想像を巡らせながら、連載再開を待ちたい。

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