『とんでもスキルで異世界放浪メシ』の“代替食材”って? 料理を再現するポイントを考察
一風変わった“飯テロ”アニメとして人気拡大中の『とんでもスキルで異世界放浪メシ』(原作:江口連)の第3話が1月24日、24時から放送される。
原作のライトノベル&コミックも人気の『とんスキ』は、異世界に転生したごく普通のサラリーマン・向田(ムコーダ)が「ネットスーパー」という一見地味なスキル(※現実世界からネットショッピングの要領で商品を取り寄せられる能力)を武器にサバイブしていく物語で、アニメ版では大手企業の協力のもと、実在する商品が登場。2月にはサンシャインシティプリンスホテル「カフェ&ダイニング Chef’s Palette」にて、作中のメニューを再現したコラボレストランが展開されることも話題になっている。
異世界のモンスターたちを市販の調味料を使って料理するーー小説版やコミカライズ版にも増して、アニメ版ではこれがいかにもうまそうで、深夜に視聴者の食欲を刺激している。本稿ではすでにコミカライズされ、ビジュアルがほぼ確定している食材/モンスターについて、その魅力と代替可能な食材をまとめたい。
※以下、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』のネタバレを含みます。
まずは、すでにアニメ版でも登場している本作序盤のごちそうとして「レッドボア」と「ロックバード」がいる。「レッドボア」は赤毛の巨大な猪のようなモンスターで、生姜焼きや回鍋肉のような甘味噌炒め、ステーキ(ステーキ丼)などに使われ、豚肉を代替する食材になっている。ムコーダがトンカツにして恐る恐る口に運び、「高級豚肉」との感想をこぼした「オーク」の肉が上位互換になるかもしれないが、人型のモンスターを食べる……ということをリアルに想像すると、実際に食べて慣れることができない読者にとっては抵抗感が拭えない。
「ロックバード」は巨大な怪鳥で、それなりに実力のある冒険者が全力で戦って勝てるかどうか、という危険度だ。しかし、チート級の能力を持つフェンリルを“料理”の力で従魔としているムコーダにとっては調達するのが容易で、照り焼きに親子丼、タンドリーチキンなど、普通に鶏肉として扱っている。また近しい用途の食材として、高級食材として通っている巨大なヘビ型モンスター「ブラックサーペント」がある。ムコーダも最初は抵抗があったようだが、「ヘビの肉は鶏肉に近い」という現実社会で聞いた話を参考に、唐揚げの素材に。食べ応えがありそうで、「普通に美味い」ということだった。
それでは「牛肉」に近しいものは何かといえば、気性が荒く群れで行動するため討伐難易度が高い「ブラッディホーンブル」。ムコーダはジューシーな牛肉としてステーキやハンバーグなどに利用している。その上位互換のような食材が意外なもので、人々が恐る飛竜「ワイバーン」の肉が牛肉に近いようだ。「竜=爬虫類=ヘビやワニ=淡白で鶏肉に近い?」と想像してしまうが、ビーフシチューならぬワイバーンシチューは違和感のない絶品のようだった。
強いモンスターほど味のいい傾向にあり、今後もどんな食材が登場するか楽しみだが、飯テロを受けたファンにとってうれしいのは、「味付け」が市販品で簡単に再現可能なので、あとは「近い食材」を何とか見つければいい、ということ。ジビエだと雰囲気が出そうだが、ブランド豚をレッドボアに見立てたり、贅沢に和牛を大ぶりにカットしてワイバーンだと思い込めば、すぐにでも異世界の料理が味わえる。その際に、例えば普段はしないレベルの“厚切り”にして食感を大きく変えるなど、「違和感」を強調するのがポイントかもしれない。ここは想像力を働かせて、ムコーダの御相伴にあずかってみよう。