「10%の才能、20%の努力、30%の臆病さ、40%の運」 『ゴルゴ13』デューク東郷の名言を検証
善意に甘えるほど危険なものはない
鞍馬竹林流弓道を習うため、道場に通うことにした東郷。教えを請う相手は和服を着た小さな女性・弥生で、「父は飛行機事故で死んだ」「自分は名目上跡継ぎだが、未熟者が人に教えるなど、不遜なこと」と断る。
しかし東郷は「それはこちらで判断する」「師を間違えたことはない」と話し、「明日から通う」と強引に同意を求める。ただならぬ雰囲気を感じたのか、弥生も道場に通うことを許した。
東郷が後ろに人が立つことを嫌うため、弓道を教えることができない弥生は、全裸で後ろに立ち「自分を信じてほしい」と言いながら後ろに立ち、矢の撃ち方を教える。すると東郷はメキメキと上達し、竹林流弓道をマスターする。
そんな弥生に、弓道の鞍馬竹林流弓道を存続させるためには男性の後継者を立て、「丁夜通の儀」で実力を示すよう他の流派の人物たちから促される。廃流止むなしと考えていた節がある弥生は、「時間がほしい」と保留した。
そして弥生は「あなたにもう教えることはない」と東郷を免許皆伝とする。東郷は「束脩(授業料)を収めたい」と告げる。すると「お金なんかいりません」「その代わり、師として戒めておきたいことがあります」「これから先、私が教えた弓で人を傷つけたり、殺めたりしないでください」と約束を迫る。
東郷は「覚えておこう」と答えると、鞍馬竹林流弓道の「丁夜通の儀」に自分を出すよう懇願する。そして、「あんたは金はいらないというが、善意に甘えるほど危険なものはない」として、金を納める意向も示す。結局東郷は「丁夜通の儀」に登場し、で遠く離れた場所から矢を命中させ、鞍馬竹林流弓道の存続が決まった。
「機は熟した」と語る東郷は、弓を持って宇宙へと向かう。CIAから、この弓で宇宙衛生ASATを撃墜するよう依頼を受けていたのだ。宇宙服を来て、ASATに弓を命中させた東郷は、報酬の全てを弥生の口座に振り込ませた。(155巻)
この話では弥生の善意を断り、自らは善意を示した東郷。実社会でも善意で奉仕してくれる人物もいるが、その善意を利用した犯罪も少なくない。東郷がいうように善意に甘えることには、様々な危険が潜んでいる可能性は、ゼロではないと言えるだろう。
人生に役立つ東郷の名言
裏社会で酸いも甘いも噛み分け、ギリギリのなかで生きてきた東郷。多くの死と生を見てきたからこそ、彼の発言に大きな説得力がある。そんな彼の名言は、厳しい社会を生きぬく力を与えてくれるかもしれない。