2.5次元俳優・和田雅成「朝ドラに出ることが夢!」 進んできた道と見据える未来

俳優・和田雅成「朝ドラに出ることが夢!」

いろんな声が入ってきて、「ここにいちゃいけないのかも」と悩んだ

――2年ほど前に、役者をやめたいと思ったことがあると聞きましたが。

和田:それは1年半くらい前のことですね。なんのためにやっているのか、一瞬わからなくなったんです。好きで始めた職業ですが、今、SNSとかいろいろ問題になっていますけど、色んな声がダイレクトに届くようになって、そうした目ばっかり気にしちゃったんです。

――ではお芝居自体とは関係のないところで、やめたくなった?

和田:はい。舞台に立つ身として、お客様の声があるのは当然のことですが、でもこれってどうなんだろうという声が結構入ってきた。僕のことだけじゃなくて、他の子に対しても。やめたいというより、今ここにいちゃいけないのかも、という感覚だった気がします。

――どう乗り越えたのですか?

和田:宮本亜門さんのもとでやらせていただいた舞台『画狂人 北斎』での経験が大きいです。「知らない世界、魅力的な世界が、まだまだいっぱいあるじゃないか、自分はなんて狭いところにいたんだ。何をこんなところで挫けそうになっているんだ」と。そして「そんな声なんて自分が気にしなければいいし、もっと強く、もっと余裕を持っていけばいいんだ」と思えたんです。

――具体的にどんなことに刺激を受けたのでしょう。

和田:これというのはないんです。ただ、亜門さんのバイタリティ、生きる力の凄さを感じました。亜門さんは癌にもなりましたが、「私はいま1歳なんだ」みたいなことを言うんです。「だからもっと人生を楽しめるんです」と。すげー!と。タイミングもあったと思いますが、すごく影響を受けた人です。

――そこで靄が晴れたんですね。

和田:吹っ切れました。そこから「別に何を言ってもらってもいいよ。変に影で何か書く人には応援してもらわなくてもいいし」って。少し強くなれたのかもしれないです。もちろん今でも傷つくことはあります。でも「全然ダメじゃん」っていう人がいても、「元気になります」と言ってくれる人がいる限りは、続けられると思っています。

自粛期間には多くのドラマや映画を見て感動

――最近、ファンの方からの言葉で嬉しかったものはなんでしょうか。

和田:カレンダーのイベントなどでは、直接握手をさせていただいて、言葉も交わせますが、そうしたときに「笑顔になれます」と言われるのが一番嬉しいです。もともとこの仕事を始めたのが、多くの人を笑顔にしたい、元気になってもらいたいと思ったからなので。ベタだとは思いますけど、でも実際そう。応援してくれている俳優さんがたくさんいて、僕が1番でなくてもいいんです。そのなかに僕という存在がいて、僕を見ることで一瞬でも元気になってくれたなら嬉しい。

――今年は新型コロナの影響で大変な年になっています。舞台をメインにしている役者さんもかなり影響を受けたかと。自粛期間などから新しく見えたことはありますか?

和田:最近、めっちゃポジティブなんです。こうした状況だからこそできることがいっぱいあるぞと。僕は殺陣を見るのもやるのも好きですが、今までなかなか追求できなかったので、自粛期間に色んな映像を見ました。たとえば早乙女太一さんとか、本当に小さな頃からずっと舞台に立たれていますが、でも小さなころからやっているからだけじゃない、努力があるからこその今だと思うんです。映像だけではもちろん難しいところもありますが、でもここはこうなってるなとか、こう努力されているなとか、映像からでも見てとれるところを勉強しています。あとは、もともとドラマや映画を観て役者を目指したので、改めていろんな映像作品を見ました。

――新しく観てハマった作品はありますか?

和田:ドラマの『この世界の片隅に』が最高に良かったです。舞台稽古が続いているときには、連ドラを見る機会が限られていたので、放送時には見ていなかったんです。この自粛期間に、たとえば「日曜劇場」さんとか、何か枠で括ったりして、いろんな作品を見ました。枠からも色が見えたりして面白かったです。芝居を見るのではなく、フラットに作品として楽しみました。ドラマとか映画って、めちゃめちゃ面白い!って思いましたね。

朝ドラは大きな目標!いつか出たい!

――和田さんも映像作品への出演が増えていますが、朝ドラ(連続テレビ小説)や大河ドラマなど、今後、こんなものに出たい!といった目標は?

和田:僕、朝ドラに出ることが夢なんです。言霊はあると思っているので、いい続ければ叶うと思うんです。だから朝ドラに出たいです。昔から、おばあちゃんも母も、朝ドラを見ていました。ドラマって一週間の楽しみになりますよね。それが朝ドラは毎日楽しめるんですよ! そこに自分が出て、自分が出ることを毎日の楽しみにしてもらえたらすごく嬉しい。東京に出てきたとき、ちょうど『まれ』を放送してたんですが、「うわー、ここに行きてえ!」と強く思いました。

――確かに、和田さんは朝ドラがとても似合いそうです。

和田:ほんとですか!? 爽やかさだけは持っていると思い続けているので(笑)、本当に挑戦したいです。

――この9月で29歳です。どんな大人の男、役者になっていきたいですか?

和田:答えになっていないかもしれませんが、とにかく、この職業を好きであり続けたいと思っています。何歳で何になりたいとか、具体的な目標でなくても、好きならどこまででも追い求めていけると思うので。たとえば、今回のコロナ禍なんて、誰も予想していなかった。不測の事態が起きると、目標も変わってくる。でも、好きであり続ければ、どんな状況になっても負けないと思うんです。だからこれから先も、お芝居を好きであり続けたいです。

■書籍情報
『和田雅成 1stフォトエッセイ 邂逅』
著者:和田雅成
出版社:KADOKAWA
定価:本体2,500円+税
https://www.kadokawa.co.jp/product/321812000235/

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