第10回Twitter文学賞、国内編は佐藤亜紀『黄金列車』、海外編は『掃除婦のための手引き書』が1位に

第10回Twitter文学賞受賞作発表

 Twitter文学賞事務局が運営する、第10回Twitter文学賞の受賞作が3月7日に発表された。

 国内編は佐藤亜紀著『黄金列車』(KADOKAWA)、海外編はルシア・ベルリン著、岸本佐知子翻訳の『掃除婦のための手引き書』(講談社)がそれぞれ1位を受賞した。

 Twitter文学賞とは、1年間に出た新刊小説の中から読者が最も面白いと思った作品を国内編・海外編1作品ずつツイートで投票する文学賞。Twitterアカウントを持っていればだれでも投票することができ、参加型の文学賞として読書好きの間で親しまれている。

佐藤亜紀 受賞コメント

佐藤亜紀です。
前作『スウィングしなけりゃ意味がない』と違って、ほぼおじさんしか出てこない地味な小説なので、こんなに沢山の人から支持されたというのはちょっと驚きです。
驚きながら、感謝もしております。
ここ三作くらいは、そういう点、風向きの変化を感じます。
いい変化と言えるかどうかはまだわかりませんが。
現在、次の本の取材中です。
遠からぬうちに作品としてお見せできると思います。
それではまた。

岸本佐知子 受賞コメント(Twitterより)

ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』が、第10回Twitter文学賞海外編の1位をいただきました。
著者になりかわり、あつく御礼申し上げます。
歴代最多得票とのことで、喜びもひとしおです。
投票して下さったみなさま、ありがとうございます!

国内編順位

1位『黄金列車』佐藤亜紀 KADOKAWA
2位『なめらかな世界と、その敵』伴名練 早川書房
3位『熊本くんの本棚 ゲイ彼と私とカレーライス』キタハラ KADOKAWA
4位『カモフラージュ』松井玲奈 集英社
5位『夏物語』川上未映子 文藝春秋
6位『神前酔狂宴』古谷田奈月 河出書房新社
7位『デッドライン』千葉雅也 新潮社
『白銀の墟 玄の月 十二国記』小野不由美 新潮社
8位『まほり』高田大介 KADOKAWA
9位『kaze no tanbun 特別ではない一日』西崎憲(編集) 柏書房
『宿借りの星』酉島伝法 東京創元社
10位『嘘と正典』小川哲 早川書房
『オーガ(ニ)ズム』阿部和重 文藝春秋
『小鳥たち』山尾悠子/中川多理 ステュディオ・パラボリカ
『生命式』村田沙耶香 河出書房新社
『夢見る帝国図書館』中島京子 文藝春秋
『夢も見ずに眠った。』絲山秋子 河出書房新社

海外編順位

1位『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン、岸本佐知子(翻訳) 講談社
2位『三体』劉慈欣、立原透耶(監修)、大森望(翻訳)光吉 さくら(翻訳)、ワンチャイ(翻訳) 早川書房
3位『息吹』テッド・チャン、大森望(翻訳) 早川書房
4位『オーバーストーリー』リチャード・パワーズ、木原善彦(翻訳) 新潮社
5位『回復する人間』ハン・ガン、斎藤真理子(翻訳) 白水社
6位『おちび』エドワード・ケアリー、古屋美登里(翻訳) 東京創元社
『雲』エリック・マコーマック、柴田元幸(翻訳) 東京創元社
7位『セロトニン』ミシェル・ウエルベック、関口涼子(翻訳) 河出書房新社
『外は夏』キム・エラン、古川綾子(翻訳) 亜紀書房
8位『レス』アンドリュー・ショーン・グリア、上岡伸雄(翻訳) 早川書房
9位『カッコーの歌』フランシス・ハーディング、児玉敦子(翻訳) 東京創元社
『トリック』エマヌエル・ベルクマン、浅井晶子(翻訳) 新潮社
10位『十二月の十日』ジョージ・ソーンダーズ、岸本佐知子(翻訳) 河出書房新社
『わたしのいるところ』ジュンパ・ラヒリ、中嶋浩郎(翻訳) 新潮社
『アムラス』トーマス・ベルンハルト、初見基(翻訳)、飯島雄太郎(翻訳) 河出書房新社

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