『南アルプス山岳救助隊K-9』シリーズ著者、初ノンフィクション『北岳山小屋物語』発表

山小屋の裏側を描くノンフィクション発表

 人気山岳小説『南アルプス山岳救助隊K-9』シリーズの著者・樋口明雄が挑む、初のノンフィクション作品『北岳山小屋物語』が、山と溪谷社より1月17日に発売された。本作は、山岳月刊誌『山と溪谷』2018年4月号~2019年12月号に好評連載された作品に加筆・修正をしたもの。

 『南アルプス山岳救助隊K-9』シリーズの主な舞台となる、日本第二の高峰、南アルプス・北岳(標高3193m)。その周辺には、5軒の山小屋――白根御池小屋、広河原山荘、北岳山荘、北岳肩の小屋、両俣小屋――が建っており、それぞれの山小屋では、小屋番やスタッフの経験から生み出された、さまざまな工夫や思いが凝らされている。標高1500m~3000mに位置する北岳の山小屋では、街にあるホテルのように新鮮な料理の食材を容易に手配することはできず、水を得ることすら難しい小屋もある。また、発電機が故障したり、給水ポンプが動かなったりしても業者がすぐに来ることはできないため、自分たちで対処しなければならない。さらに山岳遭難が起こったときには、現場に最も近い小屋のスタッフが、駆けつけることもある。

 そんな山小屋の日々を、山梨県北杜市に住み、毎年2回は北岳に登るという著者が、小屋番やスタッフへのインタビューを通じて書き上げた。普段は見ることのできない、山小屋の裏側を描き出す、著者初のノンフィクション作品となっている。

■目次
・白根御池小屋
・広河原山荘
・北岳山荘
・北岳肩の小屋
・両俣小屋
・両俣小屋取材記――二〇一九年七月

■書籍情報
『北岳山小屋物語』(きただけやまごやものがたり)
著者:樋口明雄
発売日:2020年1月17日
定価:1400円(本体)
https://www.yamakei.co.jp/products/2819156060.html

■著者樋口明雄(ひぐち・あきお)プロフィール
1960年、山口県生まれ。山梨県北杜市在住。山梨県自然監視員。2008年に刊行した『約束の地』(光文社)で、第27回日本冒険小説協会大賞および第12回大藪春彦賞を受賞。13年には『ミッドナイト・ラン!』(講談社)で、第2回エキナカ書店大賞を受賞。山岳小説に『狼は瞑らない』『光の山脈』(ともに角川春樹事務所)などがある。北岳を舞台とした「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズに、『天空の犬』(徳間書店)、『ハルカの空』(徳間書店)、『ブロッケンの悪魔』(角川春樹事務所)、『炎の岳(火竜の山・改題)』(新潮社)、『レスキュードッグ・ストーリーズ』(山と溪谷社)、『白い標的』(角川春樹事務所)、『クリムゾンの疾走』(徳間書店)、『逃亡山脈』(徳間書店)がある。本書は著者初のノンフィクション作品となる。

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