矢沢永吉・THE ALFEEにとって武道館はなぜ特別な場所? 公演記録を更新し続ける“憧れ”のエネルギー

THE ALFEEも“憧れ”を糧に武道館の最多連続公演バンドに

 一方、THE ALFEEが初めて日本武道館のステージに立ったのは、1983年のこと。この公演に先駆けてリリースされたシングル『メリーアン』のヒットを受け、同年の『第34回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出演を果たすなど、デビューから10年越しにブレイクを迎えたのだ。1987年以降は毎年クリスマスイブに日本武道館公演を行うことが恒例となり、ファンの間で日本武道館=“聖地”と認識されるようにもなった。冬の武道館公演にはゲストがたびたび登場することもファンにとってはお楽しみのひとつで、これまで加山雄三、堀内健、ベッキー、ダチョウ倶楽部、堺正章、モンチッチなどさまざまなゲストがステージを盛り上げてきた。また記念すべき100回目を記録した2023年の公演では、日本武道館から100本の薔薇の花束が贈呈されるなど、会場もこの大記録を歓迎。ちなみにTHE ALFEEはバンドとしての最多公演記録(2024年時点で103回)、最多連続公演(36年連続)という記録を持っている。

 
 
 
 
 
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 THE ALFEEの高見沢俊彦(Vo/Gt)は、Led ZeppelinやDEEP PURPLEなど1970年代のハードロックから多大な影響を受けており、THE ALFEEの変名バンド・BE∀T BOYSでは坂崎幸之助(Vo/Gt/Per)が“じょんのれん”、高見沢が“ポール・マッカーサー”、桜井賢(Vo/Ba)が“祥寺張扇”と、The Beatlesのメンバー名をもじって名前が付けられるなど、日本武道館と縁深い海外アーティストからの影響も色濃い。そんな彼らがそうしたアーティストが立った伝説のステージに立つことへの思いは言わずもがなだろう。

 日本武道館でライブを行うことの意義は、やはりステータスや栄誉に他ならない。The Beatlesを筆頭に、世界中にロック/バンドのムーブメントを巻き起こした伝説のアーティストが立ったステージだ。ロックがエンターテインメントのメインストリームとなる以前から、その歴史を静かに見守ってきた日本武道館。矢沢の公演回数150回という記録も、THE ALFEEの36年連続という記録も、60年を越える歴史を持つ日本武道館でなければ達成することはできなかったかもしれない。

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