矢沢永吉・THE ALFEEにとって武道館はなぜ特別な場所? 公演記録を更新し続ける“憧れ”のエネルギー

 12月10日、12日、13日に矢沢永吉が、ツアー『EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR「Do It!YAZAWA 2025」』の一環として東京・日本武道館で3DAYS公演を開催。また12月23日、24日にはTHE ALFEEが『THE ALFEE Winter Celebration 2025 HEART OF RAINBOW』の東京公演として毎年恒例の日本武道館公演を行う。矢沢は1977年に日本人ソロロックアーティストとして初の日本武道館公演を行って以降、同会場にて公演を重ね、2023年には公演回数が150回目を記録した。THE ALFEEは1983年に初の日本武道館公演を行い、結成50周年およびデビュー40周年を迎えた2023年に公演回数100回を記録。2組の日本武道館公演にまつわる記録をおさらいしながら、彼らにとって日本武道館とはどのようにして特別な場所なのかを紐解いていく。

 日本武道館とはその名の通り、武道による心身の錬磨を通じて健全な育成を図る目的で1964年に完成し、天皇皇后両陛下を迎えて行われた開館式『演武始めの儀』をもってその歴史の幕を開けた。富士山の裾野を引くような流動美の大屋根は武道の精神を表徴し、その頂上にある黄金の擬宝珠は、爆風スランプの楽曲「大きな玉ねぎの下で」のモチーフになったことでも有名である。皇居・北の丸公園内に位置することからも、日本という国を象徴する会場のひとつと言っていいだろう。

矢沢永吉、海外アーティストに憧れて武道館で積み重ねた歴史

 そんな日本を象徴する会場で初めて行われたロックのライブが、1966年のThe Beatlesである。以降、The Monkees、Chicago、Led Zeppelin、Carpenters、DEEP PURPLE、エリック・クラプトン、Queenなど、今や伝説となっている海外アーティストたちが続々と公演を行ってきた。DEEP PURPLEの『MADE IN JAPAN』(『LIVE IN JAPAN』)、エリック・クラプトンの『Just One Night』(『ジャスト・ワン・ナイト〜エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館〜』)など、武道館での公演の模様を収録したライブアルバムがリリースされたことも手伝って、“日本武道館”の名前は海外アーティストの間にも一気に広まっていった。

 
 
 
 
 
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 先述の通り、日本人ソロロックアーティストとして初めて日本武道館でライブを行ったのが矢沢だ。その様子は2枚組ライブアルバム『スーパーライブ 日本武道館』としても発売されている。そんな矢沢が記念すべき100回目の日本武道館公演を迎えたのは、2007年。そして、2023年に開催された全国アリーナツアー『EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 2023「Welcome to Rock'n'Roll」』で、前人未踏の150回目を記録した。

 なぜ矢沢は、日本武道館という場所に思い入れを持つのか? 矢沢はThe Beatlesに衝撃を受け、バンドマンになるため上京したという経緯がある。また、キャロルで矢沢はポール・マッカートニーと同じベース&ボーカルを担当。さらにキャロルは日本武道館でのライブ開催をひとつの目標にしていたとも言われている。そういったエピソードからもThe Beatlesに対する憧れや影響の大きさを窺うことができるだろう。日本武道館とは、矢沢にとって憧れのステージであり、必ず越えなくてはいけない壁だったとも言えるだろう。

 
 
 
 
 
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