Mrs. GREEN APPLE、藤井 風、Official髭男dism、五十嵐ハル……季節の変わり目、沈んだ気持ちを救うポジティブソング

ミセス、藤井 風らポジティブソング

 漠然とした不安感が押し寄せる季節だ。学生たちは夏休みが終わり、気持ちが沈みがちになっている人も多いことだろう。どこかパッとしない鬱屈とした気分には時に音楽が変化をもたらしてくれるかもしれない。本稿では、心が凹んだ時にこそ聴きたい楽曲をいくつか紹介してみたい。

 Official髭男dism「らしさ」は近年のヒゲダンには珍しい疾走するギターサウンドが特徴的な直球のロックナンバーだ。ここで歌われるのは絶えず何かに立ち向かおうとする自分へのエールだ。妥協や諦めに絡め取られそうになろうとも、それでもやり続けるという宣言を逡巡まじりに描いている。一般に応援歌は真っ直ぐであることを奨励するが、この楽曲はブレることも迷うことも、歌詞の中で〈君〉と表現される〈僕の黒い部分〉も丸ごと“らしさ”だと伝える。悩みや揺らぎを含めた自分自身を肯定する、健全な自己愛を讃える1曲だ。

Official髭男dism - らしさ [Official Video] 

 Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ」は彼らが現在の人気に向けて勢いを増しつつあった2023年にリリースされた代表曲の1つ。“なるようになる”という意味を持つタイトルの通り、悩める心の緊張をふっと緩ませる、楽観的なメッセージに満ちたポップチューンだ。〈私を愛せるのは私だけ〉〈生まれ変わるなら?「また私だね。」〉と、セルフラブを優しく説いてくれる。今や国民的バンドとなったミセスだが、その根底には1人きりの心をじっと見つめる内省的な表現力がある。彼らが多くの人を魅了している理由がこの曲には詰まっている。

Mrs. GREEN APPLE「ケセラセラ」Official Music Video 

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