KinKi KidsからDOMOTOへ 改名で実感する歴史の重み、変わり得ない二人の関係性

 タイトルコールは前半を録り直すということで決まったものの、肝心のタイトルをどうするのか。さらに詰めていく2人。『KinKi Kids どんなもんヤ!』にならって『DOMOTO どんなもんヤ!』にするのか、あるいは『DOMOTOのどんなもんヤ!』にするのか……。「もう言ってみれば、KinKi Kidsという長い歴史があって、KinKi Kidsとしてのファミリーもありました。DOMOTOとしてのファンのみなさんと作り上げていくこれから、言ってみればDOMOTOの2人じゃないですか。そうなってくると、ある意味ファンのみなさんもDOMOTOの2人じゃないですか!」と、またもやいい感じにまとめようとする堂本光一に、堂本剛が「ちょっと待って。無理やり押し切られておっとっとって。今、土俵から出かけたけど、ちょっと待ってください」と吹き出す。

 その上で「いや、うん、1回聞きましょう。はい」となるのが、KinKi Kidsらしさ。ツッコミを入れながらも、ちゃんと相手の思いを最後まで聞く。仮に意見が異なっても道を分かつのではなく、新しい道を作っていけるのではないかと模索する。表面的には笑いにしているのだけれど、その根底には「繊細に優しく考えたい」という彼らが大事にしてきたコミュニケーションスタイルを見るようだった。

 そして「何を言ってんねん、さっきから」と呆れたような声色を出すのは、盛大な前フリの合図だ。「DOMOTOになるんで、よりその濃厚ですよね、僕らの名前なんで。そうなってきた時にファンの方々応援してくださっている方々もより、今まで以上に僕らのこの名前に寄り添ってくださる時間が増えるということなんで、みんなDOMOTOなんですよ」と語り、「みんながDOMOTOなんです」と強調。堂本光一も堂本剛のノリに気づいて「お? 俺と同じこと言うてへんか?」と笑い出すのだった。

 お互いを「おじさん」と笑い合えるほど長い時間をともに過ごしてきた2人が、それでもなお、相手の言葉やリアクションに新鮮な笑いを返せる。そして、そんな関係性に心から魅了されるファンがいる。先述のYouTube生配信には、12万人もの視聴者が集まり、そのなかで2人は、東京ドームという広大な場所で「いっせーのせっ!ふん!」と肩を寄せ合い、指遊びを披露していたのを思い出す。30年以上の歳月をかけて、2人が繊細に築いてきたもの。そして、2人にしか見せられない特別な景色が、これからも変わらず続いていくことが、ただ素直に嬉しい。

 「変わっていかなければ、なくなってしまうんですよ」とは、生配信中に堂本光一が語った言葉だ。変わっていくことには、当然、負荷がかかる。けれど、変わることができるからこそ、守れるものもある。 その言葉に、彼らがこれまで背負ってきた時間の深さと、これから進んでいく覚悟がにじんでいた。

 ラジオでも「なんかこう、思いついて、いっぱい話しておもろいことを実現していくっていうのが、やっぱ良さそうですね」(剛)、「そうですね」(光一)と話していたように、2人には2人らしく、ボケとツッコミを交えながら丁寧な話し合いで、これからもDOMOTOとして新たに続いていく世界でたくさん遊んでほしい。まずは「DOMOTOとしての第一弾シングル『フレッシュ』」(光一)、「いやいやおじさんやないか!」(剛)と冗談めいた話もぜひ実現してほしいところだ。

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