「石井恵梨子のライブハウス直送」Vol.8:荒井由美のコピーから始まった乙女絵画の“青い炎” 正気と狂気がせめぎ合う音楽

「『しゃけ音楽会』(『OTO TO TABI presents「しゃけ音楽会 2024」』)っていう北海道のフェスに去年出させてもらったんです。僕らはオーディションの枠で出たけど、ほかは君島大空さんとかceroさんとか、音楽で食ってるプロの人たちばっかりで。そこに混ざっていく時に、『いつまでも学生みたいにやってられない』と思って。そういう意識が芽生えた瞬間が去年は何回かあったんですね。それが真剣さや表現力に繋がってきたのかなと思います」(金城)

ドリーミーな子守唄が気づけば狂ったノイズになる、未発表の新曲までが飛び出したこの日のライブ。これまで以上に音楽的な価値を高めたいというテーマが見えてきた現在、5人は来年早々にレコーディングを進め、大学卒業と同時に次の作品をリリースする予定である。目指すロールモデルはNOT WONKと言うだけあって、無邪気な上京計画や売れるためのプランなどは口にしない。すでに地に足が着いている。
「自分自身の性質とか逃れられないものを見つめ続けた結果、得られるものがあるはずで。そういう本質を追いかけていきたい。いちばんの目的は続けること。たとえ誰かがいなくなっても、たぶんやるだろうなって思います」(佐々木)
おそらくこれは、「乙女絵画の音楽は一生付き合っていけるほど面白く深化していきますよ」という宣言でもある。まさにこれからの逸材。お見逃しのないように。


























