SUPER★DRAGON、結成10周年ツアー『SUPER X』開幕 音楽への熱い想いとグループの矜持が伝わるステージに

SUPER★DRAGONのグループ結成10周年を記念した全国ツアー『SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2025「SUPER X」』が6月28日に東京・Kanadevia Hallにて開幕した。6月11日にリリースした最新アルバム『SUPER X』の楽曲を中心に全20曲を披露した待望の本ツアーより、初日の模様をハイライトでお届けする。
“ダークヒーロー”をテーマに掲げた今回、最初に大きな歓声が耳に飛び込んできたのは「Dark Heroes」。アルバム制作が決まった段階でトラックメイカーのGeek Kids Clubに声をかけて制作され、トラックにメンバーのジャン海渡がメロディと歌詞をつけた本楽曲には、SUPER★DRAGONらしい色が全開だ。続く「Legend」では、ラップを司る松村和哉とジャンのスキルの高さが光る。Cuegee名義でラッパー活動も行う松村を中心に繰り広げられる2人の掛け合いにより、SUPER★DRAGONのヒップホップベースな音楽性がより説得力を増していることを肌で感じた。
合間にはメンバー全員が交代で客席を煽る。「ついに始まりますよ『SUPER X』、しっかり目に焼き付けて帰ってください!」(伊藤壮吾)との言葉に、観客も大歓声で応えていた。メンバー自身がクリエイティブ能力に長けているのもSUPER★DRAGONの強みの一つ。池田彪馬が楽曲全体のプロデュースに参加した「Dreamland」は、冒頭からの流れから少し空気を変えるミディアムチューンで、メインボーカルの池田と田中洸希の歌声が響き渡った。
中盤には、ユニット別の新曲も初披露。中でも、志村玲於、古川毅、ジャン、飯島颯の年長4名によるユニット・FIRE DRAGONの「Good Times & Tan Lines」は、ラテンに乗せた艶やかなダンスナンバーで、メインボーカルの古川とラップを担当するジャンの歌声が楽曲の魅力を増幅させる。また、メンバーイチのダイナミックなパフォーマンスが特色である志村とグループの振付制作にも携わる飯島のダンスが、世界観に奥行きを持たせていた。
公演中のVCRで語られたメンバーのコメントにも、本ツアーに込めた決意と覚悟、そしてアルバム『SUPER X』への音楽的こだわりが詰まっていた。彼らがいかに普段から音楽と向き合っているのかが痛いほどに伝わってくる。
ラストスパートとなった最終チャプターでは、SUPER★DRAGONらしいヒップホップ色全開のナンバーを詰めた選曲で大暴れ。セットリスト全体を通じて、今の9人だからこそ表現できる楽曲の幅広さを感じることができた。デビュー当時からブレない音楽性で「自分たちが信じ抜くもの」を追求し続けていることが、初めて見た人にも必ず伝わるはずだ。実際、この日が単独ライブ初見だった筆者も、彼らの音楽への熱い想いと、節々から感じ取れるSUPER★DRAGONであることへの矜持に食らってしまった。王道のヒーローや正義の味方ではなく、信念のために行動するダークヒーロー――そう、非常に彼ららしい、SUPER★DRAGONの精神そのものを物語っていたのではないだろうか。





















