亀梨和也、解散・退所報告ラジオから感じる美学 多くを語らず楽曲に託す“消えない絆”

 「2月の12日に発表となりました。3月31日を持ちましてKAT-TUNは解散、そして私亀梨和也はSTARTO ENTERTAINMENTを退所するということになりました」

 KAT-TUNの亀梨和也が、2月22日放送のラジオ『KAT-TUN 亀梨和也のHANG OUT』(NACK5)に出演。改めて、KAT-TUNの解散、そして自身の事務所退所について触れた。第698回となった今回の『KAT-TUN 亀梨和也のHANG OUT』。放送に耳を傾けると、まだ情報が公になる前のオンエアを想定した収録なのかと思ってしまうほど、番組は「いつも通り」に始まったのが印象的だった。きっと、それは亀梨からハイフン(KAT-TUNファンの呼称)に向けられた優しさだったように思う。

 番組の終盤になってようやく解散や退所について触れると、これまでの時間に「感謝の気持ちでいっぱい」であること。そして3月31日まで「KAT-TUN亀梨和也という、メンバーの一員として大切に時間を刻みたい」「できることを探しながらたくさんの方たちに感謝と思いを届けられたらいいなというふうに思っております」と続けた。

 KAT-TUNの解散に対して募る思いがあるのは、きっと誰よりも先頭でグループを守ってきた亀梨に違いない。しかし、ときに語らないことですべての思いを受け止め、そしてみんなが次の世界へと歩き出せるように浄化させようとする人がいる。亀梨の今回のオンエアの姿勢にも、そんな器の大きさを感じずにはいられなかった。

 そして、この日は亀梨がこれまで歌ってきた歌たちが、今の亀梨自身の思いを代弁してくれたようにも思えた。番組に届いた多くのリクエストのなかで、この回に流れたのは「サヨナラ☆ありがとう」「絆」と「ハルカナ約束」の3曲。「サヨナラ☆ありがとう」は亀梨が2013年に主演したドラマ『東京バンドワゴン~下町大家族物語』(日本テレビ系)の主題歌で、玉置浩二とのスペシャルユニット「堀田家BAND」名義でリリースされたものだ。

 〈さよなら ありがとう 愛しい人よ/いつの日か また逢えるから/笑って サヨナラ☆ありがとう〉の歌詞に、事務所が発表したKAT-TUN解散報告文のなかにあった「3月31日に解散はいたしますが、メンバーの希望により、近い将来ファンの皆様とお会いできる場所を作るべく、現在調整をしております」の記載を思い出した。まだ彼らと会える場所はあるはず。だから、その日までいつも通りに笑って過ごそう。いつも通りに会えたラジオのように。そんなふうに、この場所に集ったみんなで元気を出し合う歌にも聞こえた。

 続いて流れたのは、亀梨が「10代のとき初めて作詞をさせていただいた楽曲でもあります」と振り返った「絆」。この曲は、ドラマ『ごくせん(第2シリーズ)』(日本テレビ系)の挿入歌としても多くの人の心に残る名曲だ。こちらも「絆」というタイトル通り、大切な思い出を胸に前を向こうとする心情が紡がれる曲。〈一歩づつでいいさ この手を離さずに/共に歩んだ日々が生きつづけてるから/ボロボロになるまで 引きさかれていても/あの時のあの場所 消えないこの絆〉と歌う亀梨の切ない歌声に、様々な情景が思い出されてまた胸に迫る。

KAT-TUN - ハルカナ約束 [Official Live Video]

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