O-VER-KiLL、松隈サウンドと共に示す“バキルらしさ” オーディションから1st EPまでの軌跡

メンバーのイチオシ曲は? EPにはメンバー作詞楽曲も
――そんな中、初めてのCD作品となるメジャー1st EP『O-VER-KiLL』がリリースされます。まずは本作に収録の5曲の中から、皆さんが個人的に好きな曲を教えてください。
MiYU:好きな曲なら「せーの」で言ってもワンチャン被らん気がする。やってみよう。せーの!
SARiNA・RAiSA:「スーパーソウル」。
KiLUA:「なみだのあとには」。
MiYU:「あくなき鼓動」。
――2ndシングルの「スーパーソウル」が被りましたね。
SARiNA:思い入れが強いのはデビュー曲の「あくなき鼓動」なんですけど、「スーパーソウル」は歌うのも踊るのも楽しいし、歌詞も明るくて元気になれる内容で、自分の身内や周りからもすごく好評なんです。うちのママも好きって言い過ぎているから、刷り込まれているのかもしれないけど(笑)。もっと広まってほしい曲です。
RAiSA:私の家族も大好きって言ってた。私は個人的に爽やかな曲調、学校で流れそうな青春っぽい感じの曲がすごく好きなので、この曲はデモ音源を聴いた時から「好き!」ってなりましたし、実際にMVは学校で撮影して、本当に青春を感じさせるような楽曲になったので、全部ひっくるめて好きです。
――制服風の衣装でバンドをしたりと、まさに青春なMVでした。KiLUAさんはご自身が作詞を担当した「なみだのあとには」を挙げていましたが。
KiLUA:この曲は私の昔の脳内、K-POPアイドルを諦めた頃の気持ちとか、足掻いていた時期に思っていたことを歌詞にしたんです。家でBiSHさんとかの映像を観ながら、ステージに立ちたいけど何もできてないなあ、みたいな。だから〈何もやる気が出ねえ〉とか〈そんなんじゃ脳溶けるぜ〉って書いていて。この歌詞は本当に私自身というか、それをみんなに歌ってもらっている感じの曲なんです。ダンスもヘドバンを入れたりして、一緒に盛り上がれる曲というのも大好きで。自分でLINE MUSICに設定しているくらい好きです。
MiYU:この曲は本当にKiLUAでしかない(笑)。歌詞をパッと見た時に「ああ、KiLUAやなあ」と思って。普通に生きていると、この歌詞は出てこないと思うんですよ。
RAiSA:それこそ〈猫になりたい〉も日常的に言っていることなので。

――1番は〈もういっそ 転生して 猫になりたい〉、2番は〈もういっそ 転生して 鳥になりたい〉と歌っていますからね。
KiLUA:その頃は転生したかったんですけど、今はバキルになれたからしたくないです。
一同:おー!
――いい話。楽曲的にもシャッフル系のノリの良いロックンロールで、ライブでめっちゃ盛り上がりそうですね。
SARiNA:めっちゃ盛り上がります!
MiYU:みんなヘドバンしてくれます。
――そして、MiYUさんは「あくなき鼓動」をセレクト。
MiYU:デビュー曲なので全員思い入れがあるんですけど、私は松隈さんが書いてくれた歌詞がすごく好きで。デビューまでの期間で準備していたものを、やっとバン! と出せる感じがしたんですよね。特に落ちサビの〈不安感はないけど安心感もない〉のところは、デビューしたての私にとっても「たしかに!」と思えて。別に不安はないけど安心することもできひんな、っていう。
SARiNA:みんなでデビュー曲を決める時、「ほかの曲もいいけどデビュー曲はこっちだよね」というのが全員合致したのがこの曲だったんです。
KiLUA:イントロから「松隈さんだ!」って感じたので、レコーディングして自分たちの声が入った音源が送られてきた時はめっちゃ嬉しかったです。「松隈さんの曲に私の声が入ってる!」って。
SARiNA:みんな感動して泣きそうになってたもんね。
RAiSA:そんな中、私だけ3日間、一切聴けなかったんです。レコーディングが上手くいかなくて悔しさしかなかったので、最初はこの曲を全然好きになれなくて。みんながLINEで「最高だよね」って言い合っている中で、私はミュートして見ないようにして……自分でも最悪だなって思うんですけど(笑)。
MiYU:3日以上聴いてなかったんじゃない?
RAiSA:いや、3日目にダンスレッスンで聴くことになったんだよね。ストレッチの時に「せっかくなら曲を流そう」となって、その時に初めて聴いたんですけど、悔しすぎて、涙を流しながらストレッチしてました。
MiYU:そうだ。振り入れしてる時も後ろでずっと泣いてた。
SARiNA:松隈さんの歌割りの決め方って、メンバー全員に全部歌ってもらってから、いいと思った部分を割り振っていくんです。RAiSAはそのことを理解していたので、この曲の歌割りを見た時に余計ショックだったみたいで。
RAiSA:みんな5行くらいあるんですけど、自分だけ2行しかなかったので、「あ……」と思って。今は大好きなんですけど、その時は悔しかったです。

――その悔しさをバネに今、頑張っているわけですね。新作の話に戻りまして、リードトラックの新曲「栄光の足音」についてもお聞かせください。
SARiNA:今までになかったバチバチのロックです。でも、みんながやってみたかった系統だよね。対バンでロックなアイドルさんとご一緒することが多いので、私たちもこういう曲が欲しかったし、新しいバキルを見せられると思ってワクワクしました。
MiYU:振り付けもすごいねんな、今回。
KiLUA:そう、楽曲がめっちゃかっこよくて好きな感じだったので、今まで以上に難しくて強めの振りにしました。もともとは歌詞にもある〈あの涙はどこ行った〉という仮タイトルだったので、そこからイメージして考えたんです。勝手に失恋系の曲、「泣かねえよ」みたいな感じなのかなと思って、言葉で表すのは難しいんですけど、もがいているというか、殴って血を出しながら踊っているようなイメージで作ったら、最終的にタイトルが「栄光の足音」になったので、ちょっとズレちゃったかなと思って(笑)。なので逆にタイトルとのギャップを楽しんでほしいです。「このタイトルでこれなの?」っていう。
RAiSA:この曲名でこんなにバチバチのロックがくるとは思わないよね。
MiYU:曲名は爽やか系っぽいもんね。振り付けがすごく激しくて、しかも膝をつく振りが多いので、レッスンで全員膝が真っ青になりました(笑)。曲自体は3分ないくらいなんですけど、10分踊り続けたような運動量なので、歌って踊るのが大変な曲です。
RAiSA:私はライブで常に笑顔でいて、ファンの方からも「楽しそうでいいね」って褒めてもらうんですけど、この曲はかっこよくキメることでさらによく見せられると思うので、今回はMVでも笑顔を一切見せていなくて。ライブでも新しい一面をお見せできる曲だと思います。

――EPにはもう1曲、MiYUさんが作詞した「RAiSE MY REVOLUTiON」が収録されています。
MiYU:この曲はデビューに向けて制作していた曲だったので、「私たちが革命を起こして新しい時代を切り拓く」みたいな曲にしようと思って考えました。自分としても革命というか、〈一生一度〉とか〈掴むしかない〉みたいに「今やるしかない!」という言葉を詰めた曲です。
SARiNA:強さはあるけど、合い間に繊細さが出ている感じも含めてMiYUらしい歌詞だなと思います。KiLUAの振り切った感じとはまた違ったよさがあって。
――MiYUさんは繊細なところがあるんですか?
SARiNA:人のことをよく見て、気遣ってくれるので、お母さんみたいな存在です。私は自分が大変になるのが嫌なので、リーダーとしてグループの統率はするけど、面倒は見ないんです(笑)。
MiYU:アハハ、言い切ったな(笑)。
――MiYUさんはほかのメンバーの世話を焼きたくなるんですか?
MiYU:はい。特にKiLUAは、見守るよりも自分がやった方が早いことが多いので(笑)。なのでいいお母さんになれるのはさりねえやと思うんですよね。私は自分でやって甘やかしてしまうタイプです。
KiLUA:いてくれてありがたい(笑)。
