SixTONES『YOUNG OLD』体験したことのないゴージャスさ STARTO勢ライブ初見ライターが目撃した東京公演

SixTONES『YOUNG OLD』東京ドームレポ

 ライブ中盤では、その生バンドとともにソウルミュージックの要素が濃くなるゾーンもあった。ホーンセクションの音色も響く、ゴージャスなソウルショーだ。The Jackson 5を彷彿とさせるギターのカッティングもあれば、『Saturday Night Fever』を連想させるディスコサウンドもあった。そして、ライブ後半ではR&Bなサウンドも増えていく。

 ボーカル面では、ジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹の6人がいてこその“SixTONES”だと強く感じさせられた。アコースティックギターが前面に出たミディアムナンバーでは、ファルセットが特に美しく、鍛えられてきた歌声であることを雄弁に物語っていた。そして、メンバーのボーカルは個性がありつつも、6人でのユニゾンも美しい。ピアノに導かれていくバラードでは、メンバーそれぞれの個性が際立ち、本質的にはボーカルグループなのだと痛感させられた。そもそも、上昇する花道の上で歌い続ける胆力にも感心させられたのだ。1階から3階まであるGOLD殿に加えて、センターステージや花道など、移動距離が長くても安定した歌唱を続けていた。

SixTONES『YOUNG OLD』東京公演

 また、ライブ中盤に置かれたMCについても触れたい。実に34分に及んだのだ。ファンを座らせる気遣いも見せ、以降はたわいもない会話からメンバーの関係性を浮き上がらせてファンを楽しませるエンターテイナーぶりを見せつけていく。気づくとコントを展開していたり、漫画の話をしたり、告知をしたりと、話題は多岐にわたった。そして、トイレにも行ける休憩時間としても機能しており、SixTONESのファンへのホスピタリティを強く印象づけた。

 SixTONESの音楽は、ロック、EDMやバングラなどのダンスミュージック、カリブ〜南米風味の楽曲などもあり、多岐にわたる。セットリストは解禁前だが、その中で1曲だけ触れたい。2024年のシングル楽曲「音色」についてだ。ボーカルグループとしてのSixTONESの真骨頂とも言えるミディアムナンバーである。SixTONESは、上昇していく花道の上で歌い、そして会場を埋め尽くす約55,000人のファンも「音色」を歌った。美しい光景に胸が震えた瞬間だった。そして、カラフルな紙吹雪が吹き上げられたのだ。

 終演を迎えると、SixTONESは別れを惜しむかのようにファンに呼びかけた。「小さな子たちも、車椅子の方もありがとうございます!」「また一緒に遊ぼう! 約束だぞ、バイバイ! じゃあな!」と。4日間の東京ドーム公演で幸先のいいスタートを切ったSixTONES。『YOUNG OLD』は、SixTONESにとってもファンにとっても、春へと向かう素敵な旅になるはずだ。

SixTONES、『GOLD』で首位獲得 グループの進化と広がり、激動を詰め込んだ挑戦のアルバム

1月27日付のオリコン週間アルバムランキングより、1位を獲得したSixTONES『GOLD』をレビューする。

SixTONES、“アイドル”と“アーティスト”のバランス 5大ドームツアーで体感する6人の彩り豊かな音楽

1月22日にデビュー5周年を迎えたばかりのSixTONES。1月15日には5thアルバム『GOLD』をリリースし、1月24日から…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる