青春の“90年代”が2月に帰ってくる! LUNA SEA 、PIERROT、黒夢、SOPHIA×SIAM SHADEが記念ライブ開催
2025年2月のライブスケジュールが凄まじいことになっている。
バンドブームが日本中を席巻した80〜90年代。特に90年代後半に巻き起こった、のちに“ヴィジュアル系”と呼ばれるシーンの勃興は大きな社会現象となった。センセーショナルな存在だったがゆえに多くのバンドが解散や活動休止を選択し――もちろん今でもヴィジュアル系シーンは続いているが――当時の熱量は“伝説”と呼ばれることも少なくない。
そして2020年代、まさに当時の“伝説”を作り上げたバンドたちが30周年などを機にぞくぞくと活動を活性化。さまざまな偶然が重なり、新たな伝説が生まれようとしている。
まずは、2月8日、9日に有明アリーナでワンマンライブ『PIERROT「END OF THE WORLD LINE」ARIAKE ARENA』を開催するPIERROT。
1998年にメジャーデビュー後、インターネットでの全世界配信ライブ『THE GENOME CONTROL』など常識を覆す活動を展開。キリト(Vo)の生み出す歌詞世界や独創性のある楽曲で、“ピエラー”と呼ばれる熱狂的フォロワーを生み出した。2006年に解散を選択後、2014年にさいたまスーパーアリーナにて行われた『DICTATORS CIRCUS FINAL』で再集結しつつもメンバーそれぞれの活動に邁進していたなか、約10年ぶりのワンマンライブとなる。
そのきっかけのひとつになったのが、PIERROTの翌年にメジャーデビューし、ともに時代を作ったDIR EN GREYだ。過激すぎる表現とアグレッシブなライブで“虜”と呼ばれる熱烈なファンダムを生み出し、周囲からはPIERROTとは“ライバル関係”と称されていた。活動を止めることなく無二の世界を極めてきたDIR EN GREYと、伝説を残して去ったPIERROT。2017年と2024年に開催された両者によるツーマンライブ『ANDROGYNOS』で奇跡的な邂逅を果たしたことは、バンドにも、互いのファンにも、シーン全体にも、大きな刺激をもたらした。
2024年10月12日、2日間にわたって真っ向勝負を繰り広げた最後、キリトが「かつてのライバルが、いつまでもPERROTをやめさせてくれません」と語ってPIERROTのライブを発表した瞬間の昂揚感は忘れられない。『ANDROGYNOS』でのベスト的セットリストも素晴らしかったが、今回のワンマンライブで封印が解かれる楽曲があるのか、期待が高まる。
2月9日、有明アリーナの隣にある東京ガーデンシアターでライブを行うのが黒夢だ。清春(Vo)のデビュー30周年、ソロデビュー20周年のダブルアニバーサリーツアーのファイナルとして、黒夢のデビュー日である2月9日に10年ぶりのライブを決行する。
ソロはもちろんSADSの復活も含め、自身のキャリアを総ざらいするように2024年3月から50本以上のライブを重ねてきた清春。それを締め括るのは、やはり原点である黒夢しかない。
黒夢は、1991年に結成後、1999年に無期限の活動休止期間に入るまで、音楽性やスタンスを進化させながらカリスマ的地位を確立した。緊迫感と背中合わせだったからこそ2010年から2014年にかけての再始動は劇的な事件だったが、ニューアルバムのリリースやツアーを通して清春と人時(Ba)のなかで黒夢の存在が肯定され、ふたりの関係も良好であることが伝わってきた。
あれから10年。今回は1998年にリリースされたアルバム『CORKSCREW』のツアーを再現したものになると宣言されている。ヒットシングル「少年」「MARIA」などを収録した『CORKSCREW』は、パンク色を増した後期黒夢の傑作であり、活動休止前のラストアルバム。文字通りバンドの命を削りながら年間100本以上のライブをこなしていた当時の空気が、2025年にどう甦るのか。2月9日の公演が即日完売し、2月11日に追加公演が決定したほどの注目度だ。絶対に見逃せないライブになるだろう。