青春の“90年代”が2月に帰ってくる! LUNA SEA 、PIERROT、黒夢、SOPHIA×SIAM SHADEが記念ライブ開催

 またしても同じ2月9日。大阪城ホールを舞台に行われるのが、SOPHIAとSIAM SHADEが初共演を果たす『FM OSAKA 55th anniversary "1995 SIAM SOPHIA-G"』だ。

SIAM SOPHIA-G 2025年2月9日開催決定!

 ともに1995年10月にデビューし、SOPHIAは「ゴキゲン鳥~crawler is crazy~」「黒いブーツ~Oh my friend~」などのひと癖あるキャッチーなロック、SIAM SHADEは「1/3の純情な感情」「曇りのち晴れ」などメタリックなサウンドで奏でる骨太なロックと、個性は違えど大ヒット曲を世に送り出して広い世代から支持を集めてきた両者。

 それぞれ活動休止と再結成を経験し、2025年に結成30年を迎える。メモリアルなタイミングでSOPHIAの松岡充(Vo)が発起人となり、SOPHIAの地元・大阪にSIAM SHADEを招く形で初共演が実現したのだ。SOPHIAが現在活動休止中のSIAM SHADEを動かしたという意味では、DIR EN GREYがPIERROTを動かした関係性にも重なる。やはり、同時代を生きる盟友の想いは何ものにも代えがたい。

 松岡が「良き友であり、ライバルでもあるSIAM SHADE」、SIAM SHADEの栄喜(Vo)が「純粋に友達としてすごくありがたかった」とコメントするなど、メンバー同士の交流は長く、信頼関係も深い(※1)。さらに、“SIAM SOPHIA”というユニット名でバンド間を行き来するコラボも計画されているとのこと。お互いの歴史と実力を知り尽くし、熱い友情で結ばれているロックバンド2組の生き様を感じられるステージになるはずだ。

 SOPHIA・松岡とSIAM SHADE・栄喜が兄貴分として慕うのが、LUNA SEAのRYUICHI(Vo)。そんなLUNA SEAもまた、記念すべきライブを2025年2月に開催しようとしている。

 LUNA SEAは、「ROSIER」「I for You」などさまざまな名曲を残して2000年に終幕。2010年に再始動後、3枚のオリジナルアルバムをリリースするなど精力的な活動を繰り広げてきた。2024年に結成35周年を迎え、1989年〜2000年までの全アルバムを再現するツアーを41公演にわたって敢行した彼らが、そのファイナルの場所として東京ドームを選んだ。

LUNA SEA / 2025.2.23 東京ドーム公演 開催決定!

 2025年2月23日、自身10回目の東京ドーム公演。それだけでも大きな話題となったが、なんとその前日、同じく東京ドームでGLAYとのツーマンライブ『The Millennium Eve 2025』を開催することが発表された。

 東京ドームでLUNA SEAとGLAYが共演するのは、1999年の『The Millennium Eve』以来2度目。1999年当時、押しも押されもしないモンスターバンド同士の“対バン”は異例で、両バンドの絆とパイオニア精神を知らしめる伝説の一夜となった。LUNA SEAが自らの歴史をなぞるなかで、あの夜も再現したいと考えるのは必然と言える。

 そもそもLUNA SEAとGLAYは、インディーズ時代にエクスタシーレコードに所属していた先輩後輩の仲である。LUNA SEAの2年後にメジャーデビューを果たしたGLAYは、「HOWEVER」「誘惑」などでミリオンセールスを記録し、現在まで歩みを止めることなく日本のロックシーンを牽引。2024年にデビュー30周年を迎え、10月9日リリースの17thアルバム『Back To The Pops』がオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したばかりだ(※2)。それぞれ周年ツアーをまわり、バンドのグルーヴもメンバー間のムードも過去最高に高まっているなかでの共演。どれだけ期待しても上回ってくることは間違いない。

 海外に目を向ければ、LINKIN PARKにHoobastank、GREEN DAYにMR.BIGと、同時代を席巻したバンドたちも2025年2月に一斉来日する。本稿で引用したすべてのバンドを聴き漁っていた筆者としては、ちょっとどうしていいかわからない状態というのが正直なところだ。

 だからこそ、「俺たち/私たちの青春が甦る!」と沸き立つ同世代の気持ちはよくわかる。「思い出のあの曲が聴きたい!」という気持ちもよくわかる。だが、この奇跡が訪れたのは、すべてのバンドが紆余曲折を乗り越え、“今”活動している結果だ。再現コンセプトであれ、彼らがステージで鳴らすのは、“あの頃の音”ではなく“2025年の音”。ただ「懐かしい」で終わらせるにはもったいない。もちろん、90年代当時生まれていなかった世代にも確実に刺さるはずだ。今を生きるロックバンドとしてステージに立つ姿を、今を生きるロックファンとして、その目に焼きつけてほしい。

※1:https://www.fmosaka.net/_ct/17734037
※2:https://www.oricon.co.jp/news/2349361/full/

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