Nulbarichが活動休止前に贈る至高のアルバム『CLOSE A CHAPTER』 Jeremy Quartusとして“繋ぐ”想いを語る

JQが語る“Nulbarich”への想い

“feat. Jeremy Quartus”の理由とは?

ーー「Neon Sign」はバスドラとクラップが刻むリズムがすごく気持ちいいです。

JQ:ビートはハット系がほぼなくて、キックとスネアだけでいきました。この曲ができたきっかけはプロデューサーの石川鉄男さんがNulbarichを分析したことで、ロジカルに「こういう傾向の曲がこれまでにはないから、作ってみたらどう?」って言ってくれて。そのお話を元に作ってみた楽曲です。

ーー具体的にどんなキーワードが上がっていたんですか?

JQ:これまでは割とスタンダードな曲が多いとか、ひねくれてなくて想像しやすいメロディだから、みんなが歌えそうな曲が多いとか。まあ、それを逆に取れば足りてない部分でもあるから。裏面を取れば、聴きやすい=驚きがないとも言えるかなと。

ーーなるほど。

JQ:あとはNulbarichが受け入れられてきた部分とか、耳の引っかかりになっていたのは意外とインストの中にあるリフなんじゃないかって話をされていて。いわゆる「NEW ERA」のイントロとか、「Sweet and Sour」の冒頭とかだと思うんですけど、そういうインストのリフが最近ないかもねと思って。じゃあギターリフでやってみますというところから、展開もわけわからなくしてみましょうということで、実験的に全裏切りをしてみたらこうなったという感じです。メンバーも「これってどこがサビ?」みたいな感じで、「同じフレーズ歌っているところが3回あって、それがサビ」みたいな。制作はすごく面白かったです。

ーーちょっとスモーキーな雰囲気も感じました。

JQ:そうっすね。僕的には「Super Sonic」とか、あの辺の立ち位置の曲をよりファンキーにしたイメージで、そのわかりにくい版みたいな曲ですね。

Nulbarich - Lights Out feat. Jeremy Quartus (Official Music Video)

ーー最後の「Lights Out feat. Jeremy Quartus」ですが、なぜ「feat. Jeremy Quartus」になっているんですか?

JQ:この曲をやるためにこのアルバム作った、とも言える曲です。これから活動休止に入るとあって、僕自身がこの後に置かれる立場や状況って、こういうことだと思ったんですよ。つまりNulbarichとしての活動を休むので、残されるのはこのJeremy Quartusくんなんですよ。

ーーなるほど。

JQ:だからNulbarichというバンドが消灯するという曲にして、そいつらの音の上で僕が1人で歌う感覚の曲を作りたかったんです。Nulbarichのボーカル・JQじゃなくて、Jeremy Quartusという人間が歌っている感じで曲を書きたかった。それがアルバムを作るプレゼンの1ページ目でしたね。

Nulbarich JQ(撮影=林将平)

Nulbarichから受け取ったバトンを“Jeremy Quartus”に

ーーNulbarichの曲にフューチャリング・ゲストとして入るということは、バンドのメンバーではなく、セパレートされているんですよね。つまり「Lights Out feat. Jeremy Quartus」は、ソロ活動に向かうための次の1歩の曲でもあると。

JQ:そうですね。橋渡しというか、Nulbarichが送り出してくれたというか。これからの活動をどういう風に進めていくかは決まっていないけど、活動休止が始まれば強制的にJeremy Quartusとしての活動のスタートボタンが押されてしまうので、その自覚という意味でもこの曲を入れておかないといけないと思いました。いろんな理由があってNulbarichを止めるんですけど、僕は誰よりもNulbarichでいた自信があるし、誰よりもNulbarichに色々なものを捧げてきて、誰よりも愛してきた人間だから。活動休止は必要なことではあるけど、めちゃめちゃしたくなかったことでもあって。自分で決めておいて、自分で悲しんでいるのもバカらしいんですけどね。ただ、何かを止める=何かが始まらなきゃ、また戻ってこれなくなっちゃうんで。終わらせないためにも僕という個人を立てた、というイメージです。

ーー武道館でNulbarichの第一章が完結した後、来年からはどんな活動をしたいと考えていますか。

JQ:コロナ禍以降、僕自身のパーソナルな音楽というか、そういう視点が生まれてきたんですよね。それまではNulbarich=僕みたいな感覚で、それがすべてみたいな感じでやっていたんですけど、2020年にその活動を擬似的に奪われたんですよ。

ーー多くの人が一歩足を止める期間になっていたと思います。

JQ:その時にもう1人の新しい自分というのが生まれたんです。当たり前に流れてたNulbarichのライブや制作期間が一気になくなって、その間を何かが埋めていった1、2年だったから。だから来年以降はそこで生まれた僕と向き合っていく期間になってくのかなと思っています。このバンドがみんなにとっても欲しいものだったらいつでも戻ってこれるのかなと思うし、一旦集中する場所をNulbarichじゃなくすることが一番Nulbarichのためになると思うので。寂しいですけど、Nulbarichから受け取ったバトンを、一旦Jeremy Quartusに渡してみようという気持ちはありますね。

Nulbarich JQ(撮影=林将平)

■リリース情報
ニューアルバム『CLOSE A CHAPTER』
アルバム特設サイト:https://nulbarich.com/feature/album_close_a_chapter

配信日:2024年12月11日(水)
主要配信サイト及びApple Music、Spotifyなど主要定額制音楽ストリーミングサービスにて12月11日より配信
https://jvcmusic.lnk.to/nulbarich_therollerskatingtour

・通常盤[CD]NCS-10308 / ¥3,500(+税)
発売日:2024年12月11日(水)
https://victor-store.jp/item/100108

・VICTOR ONLINE STORE限定・完全受注生産セット[CD+カセットテープ+ポータブルカセットプレイヤー]
発売日:2025年3月26日(水)
VOSF-13588 / ¥11,500(+税)
https://victor-store.jp/item/100109
※本セットはVICTOR ONLINE STORE限定の受注生産商品となる。
※受注期間:2024年12月5日(木)21:00~2024年12月19日(木)23:59まで
※本セットは、2025年3月26日(水)のお届けを予定。

<CD収録内容>
1. Opening -intro-
2. Believe It
3. 遊園
4. Don’t Waste It On Me
5. Words
6. chapter xxx (demo)
7. Neon Sign
8. DAY (Sunny Remix)
9. Mirror Maze
10. Liberation
11. Traffic Jam -skit-
12. Lights Out feat. Jeremy Quartus

<完全受注生産セット内容>
・CD
・オリジナルポータブルカセットプレイヤー
・カセットテープ(2024年12月5日に東京・日本武道館で行われたライブ「CLOSE A CHAPTER」のセットリストからメンバーがセレクトしたライブ音源を収録)

■Nulbarich『CLOSE A CHAPTER』at BUDOKAN(WOWOWオンデマンド)
https://wod.wowow.co.jp/program/199730

■Nulbarich『CLOSE A CHAPTER』 SET LISTプレイリスト
https://jvcmusic.lnk.to/Nulbarich_CLOSE-A-CHAPTER-at-BUDOKAN_SETLIST

■関連リンク
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